38歳・竹内譲次インタビュー、“キャリア16年目”日本のトップを走るレジェンドの思い
21-22シーズンからは大阪エヴェッサでキャプテンとしてチームをけん引している竹内譲次
キャリア16年目、38歳の大ベテランの思い
東海大卒業後、日立サンロッカーズ(現サンロッカーズ渋谷)でプロ生活をスタートした竹内譲次。その後、2016-17シーズンよりアルバルク東京に移籍し、21-22シーズンからは大阪エヴェッサでキャプテンとしてチームをけん引している。
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以前、取材した際に大阪入りについて「キャリアの締めくくりとして地元のクラブに移籍した」と語ってくれた竹内は現在38歳。プロ生活16シーズン目の今季は、西地区でチャンピオンシップ進出を狙って激戦を続けている。そこで、2月4日のアルバルク東京との第1戦後、話を聞いてみた。
“大阪エヴェッサはステップアップ中!”
――まずアルバルク東京との第1戦を振り返ってください。
「やっぱりフィジカル的な部分で最後に差が出たのかなというのはあります。自分もそういった部分でやられてしまったと思います。その準備が必要だとはもちろん分かっていたのですが、ちょっとアジャストできなかったという感じですね」
――試合の終盤まで2〜6点差で付いていきました。あと一歩越えることができなかったのは、今言ったようなことが原因ですか?
「そういった部分もあると思います。ただ、粘れるようになってきたのは、シーズン当初と比べてステップアップできている部分なんです。あとはやり続けること。アルバルク東京のような相手との対戦で乗り越えることが、次のステップなのかなと思っています」
――ベンチに戻ってくる選手を立ち上がって迎える竹内選手の姿も見えました。キャプテンとして何か心掛けていることはありますか?
「特にキャプテンだからという意識はしていないです。自分が思ったことはやろうとしていますし、思ったことは言うようにしています。チームが良くない方向に向かわないために、自分自身どういったアクションが必要なのかは、これまでの経験の中で考えられます。もちろんトライ&エラーですが、自分が正しいと思ったことをしっかりやるように意識しています」
――マティアス・フィッシャーHCと話すことはありますか?
「よく話しています。ある程度の会話というのは通訳なしでもできるので。自分から何か提案をすることはありませんが、コーチが直接話してくれるので、自分としてもやりやすい部分はあります」
――ということは、竹内選手は英語が結構しゃべれるようになっているんですね。
「全然まだまだなんですけど。英語の部分は、やっぱり長年のアレで良くなっているので(笑) 英語の勉強も少しはしますし」
“力関係に変化はクラブの経営努力の結果”
――西地区はかなりの激戦で、17勝18敗(2月4日終了時)の勝率は、中地区であれば3位の成績です。この数シーズンでリーグの力関係が変わってきていると思いますが、どう感じますか?
「すごく良いことだと思います。東地区が強かった時期に自分はアルバルク東京にいましたが、今のように全体的に力がバラけるというのは、それぞれの競争力が上がっている証しですから、Bリーグとしては良いことだと思います。タフな地区にいることでキツい部分もありますが、得られるものも大きいのでそこは受け入れるしかないですね」
――移籍などで有力選手が動いていることも一つの要因と感じますね。
「いろいろなクラブが経営努力をして、選手にペイできるようになったのが一番大きいのかなと思います。その例として挙がるのは、島根スサノオマジックだったり、広島ドラゴンフライズだったりです。琉球ゴールデンキングスなどは大きいアリーナを建てて、行政とうまくやれていると思います。クラブがこれまで積み上げてきたものが今、形になってきているのだと思います」
――大阪はどうですか?
「大阪もスポンサーの数は相当多いと思います。選手からは見えない部分で、運営やマーケティングサイドがすごく頑張ってくれていると感じます。大阪ならではのイベントも結構あって、地域色に合わせたマーケティングをしているのを感じますし、本当にありがたいです」
――そういう皆さんのためにも勝利で報いることですね。
「以前所属していたクラブで、“勝つことが一番の喜び”という話をマーケティングサイドの人から聞いたことがあって、それは大阪でも一緒だと思います。試合に勝つことでマーケティングサイドの人たちに喜んでもらえれば、僕たちももっと頑張ろうと思います。僕らは直接手助けできないかもしれないですけど、間接的にやれることは試合に勝つこと。選手として、そこにもっとこだわらなきゃいけないと思います」
――2026-27シーズより、現在の業績や平均入場者数などをベースにリーグ編成が変わっていきます。選手として感じることはありますか?
「僕はそんな先まで見られる年でもないですし(笑) 一年一年やらせてもらっているので、あまり意識はしていないですね。将来のことも考えてなくはないのですが、やっぱりどうなるか分かりません。だから、今は選手としてやらせていただいている中で、目の前の勝利や日々の練習に全力を尽くすだけです」
――指導者になりたいとかは?
「漠然とした思いはありますが、それについてはどれだけ需要があるという話でもあるので、何とも言えないですね」
――では、最後に今後に向けて一言お願いします。
「まずチームとして勝ちをつかむことです。その中で自分は常に100%で臨むその準備をするだけです。もちろん長いシーズン中にはアップダウンはありますが、できるだけその波を減らして、コーチの求めることを突き詰めてやりたいと思います」