月刊バスケットボール6月号

FIBA

2023.02.08

トルコ南部の大地震でバスケットボール界にも悲しみの知らせ

26日にトルコ共和国南部を震源として発生したマグニチュード7.8の大地震とそれに続く余震は、日本時間8日朝時点で隣国のシリアを合わせて死者7,000人以上、負傷者30,000人以上という数字が報じられる大災害となった。現地のバスケットボール関係者にも悲しい知らせが伝えられている。


同国の首都アンカラをホームとする女子プロバスケットボールクラブ、チャンカヤ・ウニバーシティシ(Çankaya Universitesi Ankara)のフォワード、ニライ・アイドアン(Nilay AYDOĞAN)は、祖母と過ごすために震源に近いマラティヤを訪れた際、この地震で祖母の住居が倒壊し、がれきの下敷きになったという。アイドアンは、日本とドイツの混成チーム、デュッセルドルフZOOSも参戦したFIBA33ウィメンズシリーズ2022のオーボンヌ大会(2022年8月26-27日開催)に、トルコ代表の一員として出場していたプレーヤーだ。



アイドアン自身の詳しい安否は日本時間8日午前7時時点では明確になっていない。しかし二人はすでに発見されており、祖母に関してはアイドアンのいとこにあたる男子バスケットボールプレーヤー、アーメット・デュエロルー(Ahmet Düverioğlu)が所属するブルサスポル(Frutti Extra Bursaspor Basketbol)が急逝を悼むメッセージをソーシャルメディアで投稿した。アイドアンに関しては早期救出を願う言葉が記されている。

アイドアンが所属するチャンカヤのソーシャルメディアアカウントからは、ニライと祖母が見つかったがれきの周辺で作業が進められているが、物資が不足して非常に厳しい状態にあることが伝えられている。またそれとは別に、クラブからアイドアンに連絡がつかず安否を心配するメッセージもある。

ヨーロッパの女子バスケットボールは今週末に各国の代表が対戦するFIBAユーロバスケット2023予選の最終Windowを控えている。そのため、国外からやってきたプレーヤーや代表に招集されていないプレーヤーにとっては、シーズン中にほとんど得ることができない数日間の休暇というタイミング。家族との安らぎの時間になるはずだったが、それが悲運にも大災害と重なってしまった。

なお、トルコ政府は同国内のスポーツ活動を一時全面的に休止することを発表している。

文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: トルコ代表

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