河村勇輝大解剖(2)<すごさを検証!状況判断編>[リバイバル記事]
条件反射のように相手の動きに応じて判断!
福岡第一高時代、ウインターカップ連覇に導くなど“高校No.1ガード”として大活躍していた河村勇輝(現Bリーグ「横浜ビー・コルセアーズ」)。多くの人々を魅了する華麗なプレイの秘密を3つの視点から検証した。今回は「状況判断」編である。※『月刊バスケットボール』2019年8月号に掲載したものを再編集した記事になります
【写真8点】2対1で見せた状況判断検証の分解写真をチェック
ディフェンスの裏をかく鮮やかなアシストは、一瞬で行われる正しい状況判断の賜物。河村はそのコツを「頭で考えず、条件反射のようにディフェンスの動きに反応して動いています」と語っている。2対1の状況でどのような状況判断をしているか? 実際にやってもらった。まず動き出しでパスフェイクを入れる。ここでディフェンスが反応しない(=自分のドライブと読んでいる)場合は、手首のスナップを使って味方にクイックパス。ディフェンスの反応が遅れるため、容易にシュートに達する。
もし、ディフェンスがパスフェイクに反応してきた(=自分のドライブと読んでいない)場合は、そのままドライブへ移行。打てたらシュート、ディフェンスが対応してきたら、バウンズパスを味方に出して、シュートを演出するわけだ。
プレイ中、どの程度のことを想定しているのか?
「自分では『100%シュートに行くぞ』と思っていても、ディフェンスがブロックに来て味方が空いていたら、とっさにパスが出ます。それは頭で考えるより、体が先に動く感じです」と河村は語る。むしろ頭で考えると「プレイが遅くなったり、空いてに読まれたりしてカットされる」と言う。状況判断の“感覚”が冴え渡るのは「熱くなりすぎず、余裕をモテたり接戦の大事な場面で『任せろ』という自信が湧いたりしてきたとき。気持ちが入りすぎると空回りして感覚が狂うことが多いです」と分析している。
もちろん、とっさの感覚でプレイしているとはいえ、頭を使っていないわけではない。攻める前には「プレイの選択肢を5、6個持っておきます。最悪、全ての選択肢が潰されたときどうするか、という最終手段も考えておきます」と言うから恐るべし。小柄な河村がペイントエリアに攻め込んでもボールを失うことがほとんどないのは、むしろこうして頭をフル回転させているからなのだろう。
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