月刊バスケットボール5月号

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2023.02.01

安間志織とベネツィア、日本時間2/2(木)未明にユーロカッププレーオフの大一番 - 16点差以上の白星が勝ち上がりの条件

©FIBA.EuroCup2022-23

安間志織が所属するベネツィア(Umana Reyer Venezia)が、日本時間22日午前330分(イタリア時間1日午後730分)から、FIBAユーロカップ2022-23プレーオフでの生き残りをかけた大一番に臨む。


現在ベネツィアが戦っているのはラウンドオブ16(ベスト8入りを決めるプレーオフ2回戦)で、対戦相手はホロン(Elitzur Holon、イスラエル)。ホーム&アウェイの2試合における総得失点で上回った方が勝ち上がるこのシリーズで、ベネツィアはアウェイでの初戦を68-83で落としている。第2戦はホームアリーナのタリエルチョに舞台を移して行われるが、ベネツィアは16点差以上で勝たなければ今シーズンの敗退が決まる状況だ。

1週間前、ベネツィアから2400km離れたテルアビブ近郊の都市ホロンで行われた初戦では、ベネツィアは前半を44-3311点リードで終え、第3Q終了時点でも59-58でわずかに優位に立っていた。ところが第4Q開始から4分以上無得点に封じられ、0-10のランで一気に流れを持っていかれてしまう。終盤にも立て直しが聞かず点差を広げられる悔しい負け方だったが、そこにはアウェイが2試合続いた日程上の厳しさも影響していたかもしれない。

敗因はいくつか挙げられるが、その一つはフィジカルで執拗なホロンのディフェンスに強みを消されたことだ。フロントラインの得点源であるジェシカ・シェパード(Jessica Shepard、ユーロカップでチームトップの平均16.3得点)の14得点という数字はさほど悪くはないが、アワク・クィエール(Awak Kuier、同チーム2位の14.9得点)が6得点と苦しみ、ボリュームシューターでここまで今大会全体1位の3P成功率61.9%を誇るアントニア・ディラーレ(Antonia Delaere)が3Pショット成功1本にとどまったのが痛かった。加えてチームとして17ターンオーバーという数字も展開を重くした。


一方バックコートで安間が3Pショット2本成功を含む12得点、ともにイタリア代表のマティルデ・ビッラ(Matilde VILLA)とマルティナ・ファッシーナ(Martina Fassina)が13得点ずつと健闘したのは明るい要素。この3人でフィールドゴール成功率が50.0%(28本中14本成功)、3P成功率も50.0%(10本中5本成功)させていた。

予選段階まで安間とバックコートでコンビを組んでいたマリエッラ・サントゥッチ(Mariella Santucci)の故障離脱が続いている中、第2戦でもフロントラインとシューターへのプレッシャーが強くなることが容易に想像できる。となればこの3人のパフォーマンスは結果を左右する要素になりそうだ(サントゥッチがホロンとの第2戦に登録されるかどうかは未発表)。


ベネツィアは3日前の日本時間1月29日(イタリア時間28日)に国内リーグでクレマ(Parking Graf Crema)を相手に83-62で勝利し、国内リーグも合わせての連敗を2で止めたばかり。アンドレア・マッツォーンHCは「4つのクォーターで4点ずつ上回らなければならない状況ですが、ユーロカップでは男子でも女子でもこれまでにそんなことは何度もありました」と勝ち気な姿勢を保っている。FIBAが発表したラウンドオブ16のパワーランキングではベネツィアの3位に対してホロンは最下位。その評価に見合う本領を発揮できるか注目だ。



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 安間志織 ウマナ・レイェ・ベネツィアユーロカップUmana Reyer Venezia

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