月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2023.01.27

京都ハンナリーズ、1/28(土)・29日(日)横浜ビー・コルセアーズ戦からの展望

成長著しい久保田義章はアグレッシブなプレーを続けている(写真/©B.LEAGUE))

122日の第19節まで1220敗(勝率.375)で西地区7位の京都ハンナリーズ。今シーズンは主力の入れ替えに加えてヘッドコーチの交代もあり、bjリーグ参入初年度以来の海外人材登用となるロイ・ラナHC体制で、苦戦の中にも明るい兆しを感じさせる戦いぶりを見せている。


現状の勝率は最良の数字とまでは言えないかもしれないが、すでに32試合消化時点で昨シーズン57試合で挙げた勝利数(14勝43敗、勝率.246)にあと2勝まで来ており、成績が前シーズン比で向上するのはほぼ間違いなさそうだ。チームのアシストリーダーだった鈴木達也が大阪エヴェッサに移籍したが、若手の久保田義章がステップアップして平均11.3得点、1.7リバウンドにリーグ5位の6.5アシストを記録してチームに良い流れをもたらす存在になっていることや、18.4得点(リーグ8位)でチームのトップスコアラーであるジェロード・ユトフが、それだけでなく8.8リバウンド、1.5スティール(同9位)、1.5ブロック(同2位)と攻守でキャプテンらしく存在感を示していることが大きい。身長206cmのビッグマン、シェック・ディアロも15.9得点にリーグ4位の10.6リバウンドと頼もしい活躍ぶりだ。


上位チームが侮れないポテンシャル

昨年1214日にアウェイで琉球ゴールデンキングスと対戦した際、相手のキャプテン田代直希が興味深いコメントをしていた。「(京都は)すごくアグレッシブ。久保田選手はピック&ロールをすごく駆け引きしていい選手だと思います。マシュー・ライト選手はケガで退場してしまいましたが、この二人がいて、リバウンドやディフェンスの泥臭いところを頑張れる選手がたくさんいる。すごくいいチームだし結果以上にいい。確実に未来があるチームだと思います」

この試合には琉球が81-65で勝利している。2桁点差があり、スコアを一見しただけならば琉球の快勝に見える試合だろう。ただ、この点差は現代バスケットボールでは一つ流れをつかめば短時間で取り戻せる「ストライキング・ディスタンス」でもある。それ以上に突き放しきれなかった実感もあるのか、田代は最後に「次の対戦は怖いなというのが正直な感想です」と付け加えていた。

この試合が行われたのは、京都にとって7連敗中の4連敗目というここまでで最も厳しい時期だったが、ラナHCは敗戦に表情を曇らせることなく、「皆の戦いぶりを100%誇らしく思います(It’s a hundred percent very proud of our group)」と話していた。昨シーズンのファイナリストを相手に健闘したチームに手応えがあり、焦って結果を求めていないスタンスが以下のコメントに現れている。


今シーズンから京都の指揮を執るロイ・ラナHC(写真/©B.LEAGUE)

「我々は成長中のチーム。何ごとも積み重なって、今後数年で京都のプログラムが良い方向に進むよう願っているし、そうなるでしょう(We’re trying to grow. So, all of these things are going to continue to take positive…, hopefully build a great program here in Kyoto over the next few years.)」

その後、1225日の富山グラウジーズ戦で91-69の勝利を収めて連敗を脱すると、以降第19節までは55敗と五分の星だ。5勝の中には中地区で首位を争っている川崎ブレイブサンダース(1913敗、勝率.594)から奪った1勝も含まれている(1230日、87-83)。この試合はアウェイの川崎市とどろきアリーナで4,572人の大観衆の前で手にした貴重な勝利だった。この直近10試合は平均得点がシーズンを通じての76.4を大きく上回る84.0に上昇しており、ラナHCの下で力強さが発揮でき始めた印象もある。


昨年末、川崎ブレイブサンダースを倒した試合でのジェロード・ユトフ。16得点、9リバウンド、2アシストの活躍で貢献した(写真/©B.LEAGUE)

取材・文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 横浜ビー・コルセアーズ 京都ハンナリーズ

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