月刊バスケットボール6月号

3x3男子

2023.01.28

3x3でスペインに武者修行 - 荒 優大とSANJO BEATERS .EXEの挑戦

荒 優大とSANJO BEATERS .EXEの挑戦


新潟県三条市を拠点に活動するプロ3x3チーム「SANJO BEATERS .EXE(以下ビーターズ)」の荒優大がマドリッド(スペイン)に渡って3x3の武者修行に臨む。期間は23日からの約2週間という“短期留学”だが、現地のエキスパートとともに3x3に限定した練習やゲーム・トレーニングに取り組む。現在男子5人制でFIBA世界ランキング1位のスペインという環境や、海外ならではの異文化に触れながら飛躍を目指す旅となる。


19993月生まれの荒は現在23歳で、千葉県出身で身長182cmの若手ガード。2021年にトライアウトを経てビーターズに加入した。地域コミュニティーの協力の下で、「半農半バスケ」という非常にユニークなコンセプトで運営されているビーターズにあって、三条から世界に羽ばたくタレントを育成する取り組みの中で、この機会を得た。チームオーナーの柴山昌彦は「バスケに関する言葉の豊富な場所でプレーヤーを育てたい」という考えの持ち主。かつ、昨年三条市に移住したスタッフの笈入正和がスペイン滞在3年間で得た経験とネットワークを持つことから、今回の武者修行が実現に至った。

柴山代表は育成プログラムのねらいを、「歴史や文化の幅と深さが日本とは違う場所に行くことで、カルチャーショックを与えたい」と話す。「人としての成長につながるはずですし、荒のバスケや今後のバスケ人生にも良い影響を与えてくれると期待しています」

荒自身は今回のスペイン行きが自身初の海外体験だといい、「初の海外がバスケットボールの修行というのは意味のある貴重な経験」と成長の機会に胸を膨らませている。

ビーターズは20194月に新潟県内初の3x3プロチームとして誕生した。運営母体は「NPO法人 ソーシャルファームさんじょう」で、三条市内で廃校となった小学校跡地を活用してバスケットボールと農業を通じた地域おこしに取り組んでいる。それが「半農半バスケ」と呼ばれるゆえんであり、柴山代表は特定非営利活動法人ソーシャルファームさんじょう理事長も務めている。


農地で汗を流すビーターズのメンバー(左から木村悠杏[U23]、安恒 俊、柿下侑輝[U23]、新垣もも[U23]、中央はチーム外の関係スタッフ中野直文氏)

今回の武者修行が体現するような、バスケットボールを通じて地域と子ども達に夢と憧れを提供することに加え、半農半バスケを実現し、デュアルキャリアのロールモデルを確立すること、「スポーツ×教育×農業」で選手のセカンドキャリアを形成し、地域活性化に貢献することをチームコンセプトとしている。


地域イベントで子どもたちと交流する安恒(左)と新垣(右)

3x3.EXE PREMIER JAPAN 2022ではチームとしてプレーオフ進出をかなえることはできなかったが、リーグから「3x3 Town Award」の表彰を受けた。


チームロゴをあしらったバナーの前で記念写真を撮る木村(左)と地域の子どもたち

☆荒 優大「武者修行に向けた抱負」



私自身、今回の機会が初の海外となります。
旅行でも行った事のない海外にバスケットボールの修行のために行く。
初の海外が「バスケットボールの修行」というのは、私にとっても、意味のある貴重な経験だと思います。

自分の強みを活かしたプレーへの挑戦。
自分の弱みを補うための吸収。
コーチや選手達とのコミュニケーション力。
すべてにおいて、学ぶことばかりだと思います。

日本とは生活スタイルや文化、考え方などがまったく違う環境で、その新鮮さに触れる事で、感じる事や考えさせられる事などがたくさんあると思います。

何事も恐れずに楽しみながら、日々充実した時間をスペインで過ごして、有意義な時間にしたいと思います。

いついかなる時も一生懸命に泥臭く楽しませる。 ——荒 優大



文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)

タグ: 3x3.EXE PREMIER

PICK UP