月刊バスケットボール8月号

Bリーグ

2023.01.21

試行錯誤の中で前進する三遠ネオフェニックスの大野篤史HC「勝ち切っている間に入りと締めを学ばなければいけない」

後半に立ち直り逆転するも、内容には満足せず


1月20日、サンロッカーズ渋谷のホーム、国立競技場代々木第二体育館に乗り込んだ三遠ネオフェニックスは、10点ビハインドの前半から後半に盛り返して逆転。74-63で勝利をつかんだ。

前半、思うようにボールを運べない三遠はオフェンス、ディフェンス共に精彩を欠き、決して調子がいいわけではないSR渋谷に対してターンオーバーやファウルを多く献上。球際でも相手のエナジーに後手を取った。

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ゾーンディフェンスを織り交ぜながら打開策を見いだそうとするもの、ことごとく突破され逆にコーナースリーで点差を放される苦しい展開でハーフタイムへ。この展開には大野篤史HCも「ディフェンスを1対1で守るというプライドがありませんでした。(前半は)ヘルプに値するディフェンスが何一つできてなかったです。打たれてはいけない選手にシュート打たれたり、ドライブされてはいけない選手にドライブをされたり。自分たちが用意してきたこととは逆のことをやってしまったかなと思います」と厳しいコメント。



しかし、後半に入ると選手個々が役割を果たし始め、なかなか得点が伸びない中で細川一輝が奮闘。山内盛久もうまくゲームをコントロールし、インサイドではカイル・オクインが力強く得点。さらにはファウルトラブルに陥ったアイゼイア・ヒックスの穴は、特にディフェンス面でダニエル・ギデンズが見事に埋めてみせた。

後半の内容だけを見れば、及第点の結果だったと言えるが「やるべきことをやって逆転で勝つことができるんであれば、それは良い経験かなと思います。けど、今日は自分たちがやるべきことをやらずしてビハインドを食らって、結局、最後は勝ち切ったというところです。選手たちに試合後に話したのは『先手を取るから成功する。後手後手になって勝利をつかめるわけがないんだよ』ということ。今勝ち切ってる間にそれを学ばなきゃいけないし、もっと上を目指すのであれば、まずは先手を取ることとクロージングのところを学ばなければなりません」と大野HC。

三遠は今季、その大野HCをはじめとしたコーチ陣の大移動に始まり、細川や金丸晃輔の獲得など、180度チーム状況が変わったクラブだ。ここまで31試合を消化して15勝16敗の中地区4位。開幕当初の注目度と比較すると、まだまだこれからといった感じだろう。

この試合でチームハイの22得点と気を吐いた細川

この試合でチームハイの22得点と気を吐いた細川


金丸も「後半にできていたディフェンスやリバウンドなどのシンプルなところは、本来ゲームの入りからやるべきです」と言う。だが、続けて「確実に言えるのは連敗してしまった開幕戦のときから比べると良くなっているということ。一人一人がやるべきことを共通理解できてきていると思います。例えば、今日の試合の終盤のようにシーソーゲームの大事な場面で何をしたらいいのかといったところもそうです」と手応えは得られている。

特に、この試合のように試合終盤で各選手が自身の役回りを理解したプレーを見せられた点は大きな進歩だ。「ああいうところで、単純なミスをしないようにしたり、冷静に戦況を見極めたり。行けるところは行っていいですが、もし速攻で出してそれがダメだったときに次に何をするかという判断が開幕のときはできていませんでした。最初は一つうまくいかないとどうしようってなってガチャガチャしていましたが、そこで落ち着いてコールをしてゆっくり攻めるとか。それは前よりはできていると思います」

金丸は手応えを感じつつ、危機感も募らせる

金丸は手応えを感じつつ、危機感も募らせる


ただ、金丸は「今日のように必ず後半にカムバックできるという保証は何もないので、こういうゲームの入りだと足元すくわれてしまいます。今日は勝てましたが明日は分からないので、ゲームの入りが本当に大事になってくる」とも言い、危機感も募らせている。

大野HCも語っていたように、結果だけでなく内容を少しずつ修正しながら白星も重ねていくことが目下両立しなければいけない課題となってくる。三遠にとってはここから先も試行錯誤が続いていくが、明るい兆しは確実に見えているような試合でもあったはずだ。まずは本日の第2戦を勝ち切り、勝率5割復帰を目指す。



写真/©︎B.LEAGUE、取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)

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