故障者続出の仙台89ERS、巻き返しに補強図る – 青木保憲(PG)、ベイリー・スティール(C)を獲得
オールスター・ブレイクまでの成績が8勝21敗(勝率.276)でB1リーグ東地区7位と苦戦中の仙台89ERSが、広島ドラゴンフライズからポイントガードの青木保憲を、B3の横浜エクセレンスからセンターのベイリー・スティールをそれぞれ獲得したことを16日に発表した。青木は完全移籍、スティールは短期契約での加入となる。
仙台は12月18日の横浜ビー・コルセアーズとの試合でポイントガードの渡辺翔太が負傷し、12月27日に左脛骨骨幹部骨折(全治見込み:未定)の診断でインジュアリーリスト入りしている。また、フォワードセンターのラショーン・トーマスも右第5指脱臼骨折(全治見込み:約2~3ヵ月程度)で離脱中だ(青木とベイリーの獲得が発表された16日にインジュアリーリスト入り)。
ほかにもシューティングガードの田中成也(脳震盪でBリーグが定める段階的復帰プロトコル下)、スモールフォワードの加藤寿一(右足関節靭帯損傷で全治1~2週間程度の見込み)にアクシデントが続き、両者は11日の宇都宮ブレックスとの試合には帯同しなかった。この苦境の中、仙台は青木とスティールの獲得で層の厚みを増すとともに、これまでと異なるタイプの力をを加えて後半戦の巻き返しを図る考えだ。
現在6年目の青木は今シーズン広島で21試合に平均8.2分出場して0.9得点、0.7リバウンド、1.1アシストのアベレージ。バックコートの強化を図る広島で、昨シーズン(平均13.5分、3.3得点、1.0リバウンド、1.2アシスト)に比べて出場機会が減りパフォーマンスを落としていた。
青木の移籍に関しては、今年の元日にゼビオアリーナ仙台で行われた両チームの対戦後に青木自身を含めて話をする機会を持ったという。広島は青木を戦力として評価する一方で、厳しいポジション争いの中で出場機会を確保できる保証がない事情もあり、青木の心が移籍に傾く中でその意思を尊重した形だ。
青木は「1日1日を大切にして、ポジティブエナジーをチームに与える事ができるよう頑張ります」と抱負を語っている(写真/©B.LEAGUE)
一方スティールは、今シーズン初めて日本でプレーしているビッグマンだ。身長213cmの高さは仙台ではチーム最長身となる。
横浜EXでは20試合に出場しており、バックアップセンターとして平均19.7分で13.3得点、6.8リバウンド、0.9アシストのアベレージを残した。コンタクトに強くペイント周辺でのフィジカルな攻防が得意だが、32.1%の3P成功率が示すとおりロングレンジも武器。得点の約20%が3Pショットによるもので、ストレッチタイプと呼ぶべきかは別として、幅広く攻守で仙台の力になることが期待できる。
新天地で「110%の努力をしてチームの成功に貢献できることを楽しみにしています」とスティールはやる気満々だ
仙台は現在7連敗中と厳しい戦況にあるが、ここからどんな巻き返しを見せるか。青木とスティールはどちらも好転の起爆剤になりうる戦力だ。
☆青木保憲プロフィール
青木保憲 #14 | PG | 182cm/84kg
生年月日: 1995年6月23日(静岡県出身)
学 歴: 静岡市立安倍川中学校→福岡大学附属大濠高等学校→筑波大学
プレー歴: 2018~21 川崎ブレイブサンダース
2021-23 広島ドラゴンフライズ
2023~ 仙台89ERS
☆ベイリー・スティール プロフィール
#11 | C | 213cm/112kg
生年月日: 1997年6月28日(アメリカ合衆国出身)
出身大学: デュケイン大学
プレー歴: 2021-22 スポニア・スターガード(ポーランド9
2022 横浜エクセレンス
2023~ 仙台89ERS
文/柴田 健(月刊バスケットボールWEB) (月刊バスケットボール)