快進撃さいたまブロンコス - シャープシューティングとリバウンドで12連勝中
ドリブルドライブを仕掛ける野口龍太郎。2022年をB3リーグの3P成功率1位で終えた
2023年に入り、1月6日からB3リーグの2022-23レギュラーシーズンが再開する。注目のチームはいくつもあるが、その中で現在最もホットなチームと言えるのがさいたまブロンコス(1月5日現在19勝5敗、勝率.792の4位)だ。
最後に負けたのは昨年11月13日の岩手ビッグブルズとのアウェイゲーム。以降東京八王子ビートレインズ、金沢武士団、東京ユナイテッドBC、しながわシティBC、立川ダイス、ヴィアティン三重を立て続けに撃破している。
シーズン序盤から力強さは見せており、現時点での上位チームを含め、対戦したチームで1勝もできなかった相手はいない。現在首位のベルテックス静岡とは現時点で対戦なし。2位の岩手ビッグブルズには1勝3敗と負け越したが、3位の鹿児島レブナイズとは1勝1敗のタイ。連敗も岩手とのアウェイ2連戦での一度だけだ。
7日(土)・8日(日)には現在3ゲーム差で5位につけているトライフープ岡山とのアウェイ2連戦が控えているが、この連戦を良い形で乗り越えることができれば、首位の座も見えてきそうな状況にある。
さいたまの今シーズンは、シャープシューティングとフィジカルなリバウンディングを武器としたオフェンスが一番の武器だ。24試合を終えた時点での総得点2,119(平均88.3)はリーグトップ。また、失点も16チーム中の9位にあたる1,888(平均78.7)と相対的に悪くはない。
3Pショットに関しては、チームとしての成功率35.3%が鹿児島(36.5%)に次ぐリーグ2位。アテンプト数737が金沢(758)に次ぐ同2位。成功数260は2位の金沢(219)を大きく引き離してのリーグ1位だ。個人でも野口龍太郎が46.0%(63本中29本成功)が堂々のリーグトップ。40%以上の成功率を記録しているプレーヤーが川邉亮平(45.5%、22本中10本成功)、秋山 煕(41.5%、41本中17本成功)、グラント・シットン(41.1%、146本中60本成功)と4人いる。もう一人、ボリュームシューターの佐藤文哉も36.9%(157本中58本成功)と確率としては合格点といえるものだ。
シューティングに関しては2Pショットの成功率も50.8%と高確率。さらにフリースロー成功率73.8%もリーグ2位だ。フリースローではグラント・シットンの87.3%がリーグトップの数字となっている。
この決定力に輪をかけてさいたまの力となっているのがリバウンド。身長206cmのセンター、ライアン・ワトキンスは平均12.5本でやはりリーグトップに立っている。ただしワトキンス一人頼みではなく、秋山や加藤嵩都らガード陣も参加して毎試合2本、3本と自分たちのボールにしている。チームとしてのこの項目に対するアプローチが奏功していることが、シューティングにも好影響を与えているだろうことが推察できる。
ゴール近辺の迫力のあるプレーが魅力のライアン・ワトキンス。B3リーグトップのリバウンダーだ
得点面の柱は平均16.8得点のワトキンス、ともに15.1得点のアベレージを残しているシットンとウィル・クリークモアの3人。しかし外国籍プレーヤーだけではなく佐藤(9.6得点)、加藤(7.9得点)、野口(7.2得点)、丹野合気(6.5得点)、秋山(6.3得点)らが、ロングレンジやトランジションで小気味よくゴールを奪う。個々が役割を果たし、バランスの良さを生み出せていることが好調の大きな原因と言えそうだ。
昨シーズンは27勝17敗(勝率.614)の7位で、プレーオフなしのフォーマットで昇格の機会を得られなかった。しかし今シーズンのB3リーグの混戦状態を考えると、後半戦からプレーオフの時期には非常に面白い存在になるのではないだろうか。現在の順位や勢いだけでなく、コート上で表現されているチーム力は興味深い見どころの数々を提供してくれている。
速攻でレイアップを決める川邉亮平。スピーディーで堅実なガード陣のプレーはさいたまの魅力の一つだ