月刊バスケットボール5月号

【ウインターカップ2022】山本雪鈴&石原若葉、6年間の絆を示す最後の冬

コンビで挑む最後の冬、まずは初戦突破!

12月23日、「SoftBank ウインターカップ2022(令和4年度 第75回全国高等学校バスケットボール選手権大会)」大会初日、女子1回戦で四日市メリノール学院(三重)と対戦した大阪桐蔭(大阪[2])は、1Q中盤からギアを上げて点差を引き離すと、最終スコア85-61で勝利。2021年のインターハイ以来、夏冬合わせて3大会ぶりの初戦突破を果たした。

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『ウインターカップ2022』特設ページ(日程・出場校&選手名鑑・トーナメント表)

この試合でリーディングスコアラーとなったのは179cmのセンター#15洪有純で、26得点、13リバウンドのダブルダブルだった。そして、#15洪に次ぐ活躍を見せたのがエースの#8山本雪鈴(25得点)と#4石原若葉(14得点)だ。

役者たちがそれぞれに輝いた上での勝利だったわけだが、振り返ればインターハイは苦難の連続だった。その戦いを難しくした大きな要因だったのが#4石原が半月板を痛めて欠場したこと、そして、今大会でもベンチ外となっている2年生の北條瑚奈が前十字じん帯断裂してしまったことだった。

本来起点となるはずのガード2人を欠いたことでチームは安定感を失い、「試合にならない状態だった」と森田久鶴コーチ。その結果、点取り屋の#8山本がゲームコントロールにも意識を傾けなければならなくなり、チームとしても歯車が狂ってしまったのだ。



しかし、今大会を前に本調子ではないものの#4石原が復帰。この試合でもリズムが悪い場面は#4石原を起点に立て直し、後半にはアグレッシブなディフェンスからワンパスでゴールまでつなぐ大阪桐蔭らしいバスケットが随所に見られた。「まだフワッとした感じはありましたが、少し落ち着いたバスケットができたと思います。彼女がいないとバタバタなので(笑)。一つ勝てたことで次の試合ではもう少し余裕が持てるのかなと思います」(森田コーチ)

#8山本も#4石原の復帰については「やっぱりワカがいないと自分が全部やらないといけないと思ってしまって、自分のプレーができなかったのですが、彼女が復帰してからは任せるところは任せて点を取ることに集中できるようになりました」と、大きな恩恵を受けている。

そんな、大阪桐蔭の主軸となる2人だが、今年でチームメイト歴は6年。中学時代は大阪府の高南中でともに全中準優勝(2019年)も経験している実力派のコンビだ。



現チームでは高南中時代のチームメイトは前述した1学年下の北條との3人、同期では彼女たち2人だけだ。苦楽をともにしてきたからこそ、お互いへの信頼も厚い。#4石原は「バスケットの面ではここ一番のときに『行ってくれ』と思っている面もあるし、一番信頼しているチームメイトです。もう6年間一緒にやってきたので、最後のウインターカップは2人で絶対に暴れようって話していました。1日でも雪鈴と一緒に長くプレーできたらいいなと思っています」と、山本とは特別な絆で結ばれている。

#8山本にとっても#4石原はなくてはならない相棒だ。「ワカとしか話せないこともいっぱいあります。同じ価値観で話せるという面でもやっぱり一番はワカなので。自分の中ではライバルでもあって絶対負けへんとかも思うんですけど、でも頼れるめっちゃいい相棒です」

高校を卒業すればそれぞれバラバラの道を歩むことになるという2人。チームメイトとして戦う最後の舞台で、#4石原の言葉どおり「大暴れ」し、有終の美を飾れるか。明日の試合も注目だ。

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写真/中川和泉、取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)

タグ: ウインターカップ 高校バスケウインターカップ2022

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