月刊バスケットボール6月号

【ウインターカップの思い出】 ー東藤なな子ー 「憧れ」を抱き、「感動」をもらった大会

「憧れ」を抱き、「感動」をもらったウインターカップ

 

昨年の東京2020オリンピックで貴重なバックアップとしてディフェンスで奮闘し、東藤なな子は弱冠20歳にして銀メダルを獲得した。当時の指揮官トム・ホーバスからも「調子の波もないし、20歳とは思えない」と称賛されており、所属するトヨタ紡織サンシャインラビッツではエースとして、そして日本代表でも未来を担う一人として欠かせない存在となっている。

 

そんな彼女の礎を築いたのが名将・上島正光コーチ率いる札幌山の手高での3年間だ。新川中時代に全中ベスト16の成績を残した東藤は、当時のチームメイトだった関ななみ(日立ハイテク)と畠山愛花(桐蔭横浜大)と共に札幌山の手に進学。

 

すると、1年時から出場機会を得てインターハイではスタメンのパワーフォワードに抜てき。同大会では泥臭くリバウンドに飛び込むなど、1年生らしいはつらつとしたプレーを見せてベスト4入りに貢献すると、続くウインターカップでもベスト8入りを果たしたのだ。

 

早くも札幌山の手の主力となった東藤は2年時にはさらに存在感を強める。特に2年生エースとして臨んだウインターカップ初戦でのパフォーマンスは圧巻だった。就実高と対戦したこの試合で東藤は41得点の大爆発。フィールドゴールは27本中17本成功、リバウンドも9本、アシストとスティールも2つずつとまさに獅子奮迅の活躍を見せたのだ。チームとしては77-83とよもやの敗戦を喫したが、彼女の実力を証明するには十分だった。


 



 そんな東藤はウインターカップを「憧れの舞台」と表現する。「中学3年生の頃に東京体育館のメインコートの試合を見て、自分もこの舞台に立ちたいと思ってずっと憧れの舞台として高校時代を過ごしていました。(ウインターカップは)1年間の集大成でもあり、一番良い結果を出したい大会。1、2年生の頃は3年生との最後の大会だったこともあって、特に気持ちが入っていました」

 

しかし…3年時に彼女がこの舞台に戻ってくることはなかった。

 

ちょうどウインターカップ予選が行われているのと同時期に、東藤はU18女子アジア選手権に出場するためにチームを離れ遠くインドにいた。そして2018114日、そんな彼女の元に予選結果を知らせる通知が。そこには北海道予選決勝での敗戦(68-71/対札幌東商業高)——つまり“引退”という現実が記されていたのだった。驚き、悲しみ、そしてチームメイトと共に戦えなかった申し訳なさ…さまざまな思いを巡らせながらも東藤の高校バスケは思わぬ形で幕を閉じた。特に同期を大切にしていたという当時の彼女の感情は察するに余りある。

 

ただ、それから2年が経過した2020年のウインターカップで運命的な出来事が起こる。この大会、2回戦から出場した札幌山の手はエースの舘山萌菜(白鷗大)とスーパールーキー森岡ほのかを起点にトーナメントを勝ち上がり、3位入賞を果たしたのだ。

 

同年の3年生は、東藤が3年生だった頃の1年生たち。かわいかった後輩たちが勇敢に戦う姿に「私が高3だった頃の1年生がウインターカップ3位。すごく感動しました。後輩たちがそれぞれの想いを抱きながらチームのために戦う姿がとても刺激になりました」と東藤。憧れだった東京体育館のメインコートに自らの意志を引き継いだ後輩たちが立つ。まるでドラマのような筋書きであり、それが起こるのがウインターカップだ。

 

そして今年の札幌山の手を引っ張るのは、2年前のメインコートを知る当時のスーパールーキー森岡である。東藤自身が偉大な先輩たちから受け継いだ意志は後輩たちにも脈々と受け継がれ、彼女自身もまた現役生たちにとっての“偉大な先輩”となっているに違いない。


\東藤なな子選手から応援メッセージ/

3年生は3年間の集大成、1.2年生は3年生と試合ができる最後の大会になるので、自分にできることを精一杯やって後悔なくやり切ってください!
そして一番は楽しむこと、一人一人が最高の舞台で自分らしく楽しんでくれることが一番の願いです!
高校生の皆さん!がんばれーーー!!


[東藤なな子選手 ザムスト着用アイテム]

カーフスリーブ

 足首からふくらはぎにかけて圧力を段階的に弱める設計で、疲れやすいふくらはぎをサポート。ふくらはぎ全体を圧迫することで、疲労につながる筋肉の無駄な揺れを抑えます。
皮膚温に反応して生地が汗を乾かす量を調整する体温コントロール機能や、優れた伸縮性を持つ繊維、ライクラ®ファイバーも採用。
※ライクラ®(LYCRA®)はThe LYCRA Companyの商標です。






圧迫感がちょうど良く、プレー中も締め付けが気にならないです。カーフスリーブを着用することで試合の終盤でも安心して、全力で思いっ切りプレーできます。



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