月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2022.11.26

福井県にあらたなプロバスケットボール・クラブが誕生 – チーム名は「福井ブローウィンズ」

 福井県に新しいプロバスケットボールチームが誕生する。11月25日に母体となる福井バスケットボール株式会社が会見を開き、チーム名や新規参入に向けた準備状況を明らかにした。


新チームの名前は福井ブローウィンズ(FUKUI BLOWINDS)。名前の由来は「福井に吹く(BLOW)」+「風(WIND)」であり、「吹く、いい風(Blow a good wind towards Fukui)」というメッセージが込められているという。この日公開されたクラブ公式サイトでは、「福井にいい風を吹かせたい。福井からいい風を吹かせたい。そんなバスケチームになりたい。」との強い思いが記されている。


福井バスケットボール株式会社は、9月7日の「B3リーグ 2023-24シーズン」の公式試合参加資格・第1次審査合格を受け、現在最終審査合格に向けた準備を進めている。代表取締役の湯本眞士(ゆもと しんじ)は地元福井県越前市出身で、北陸高校1年在籍時に創部初のインターハイ優勝を経験し、その後早稲田大に進んでバスケットボールに取り組んだ人物だ。


2020年には、B3リーグ参入を目指して福井県初のプロバスケットボールクラブとして「一般社団法人福井県プロバスケットボールクラブ」を設立。福井県内でのプロクラブ誕生に向けて、県内企業との連携や競技普及を目的とした3x3事業、バスケットボールスクール事業などを推進し、今年5月に福井バスケットボール株式会社代表取締役に就任した。


ジェネラルマネジャーを務める塚本鋼平(つかもと こうへい)は秋田県出身で、教員として11年間働いた後、2014-15シーズンに和歌山トライアンズ(NBL)でアシスタントコーチを、翌シーズンにもNBL時代の西宮ストークスでアソシエイトコーチを務めた経歴を持っている。また、2016年以降はBリーグの運営本部強化育成グループに所属し、ユース世代の環境整備に尽力してきた。この11月に株式会社 Zero One Basketballを設立し、代表取締役に就任したばかりだ。

 


今後の大きな課題としては運営を安定させるためのスポンサーやパートナー獲得と、試合会場となるアリーナの確保が挙げられる。来年5月に最終審査、7月にチーム体制発表という大まかなステップが明かされていたが、資金面・アリーナ面の土台構築はブローウィンズの成功の第一歩であり、欠かせない、避けて通ることができないチャレンジだ。


ただし福井県には、2024年に北陸新幹線の金沢-敦賀間を延伸するプロジェクトが進行中であり、2026年春には福井駅から徒歩5分の場所に新たなアリーナをオープンさせる構想もある。こうしたインフラ整備を追い風として、福井県民のみならず県外からのビジターがブローウィンズのバスケットボールを楽しめるようなマーケティング施策にもクラブとして前向きに取り組み、成功の礎を築く考えだ。


その上で、どのようなスタイルのバスケットボールを展開するか、そのためにどんな人材を獲得していくのか。リクルーティングに関しては1月1日以降が正式な交渉期間のスタートとのことだが、塚本GMは福井県出身、あるいは福井県にゆかりのあるプレーヤーの獲得に意欲を見せ、最短でB1に昇格する構想を語っていた。現時点では具体的な姿はベールに包まれているが、まさしく日本のバスケットボール界に旋風を巻き起こす存在として、期待できそうだ。


福井ブローウィンズ公式サイト


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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