全ての中高生に知ってほしい! 基本のシュートを決め切る極意〈レイアップ編(5)〉[リバイバル記事]
基本のシュート〈レイアップ〉を決め切る極意を紹介 [応用編]
高いスキルやビッグプレーは試合を彩る要素になり得るが、基礎的なプレーができないことには始まらない。2022年1月のJr.ウインターカップでKAGO CLUBを準優勝に導き、福岡大附大濠高のスキルコーチも務める丸田健司コーチに、バスケットボールにおける基本的な得点方法であるレイアップ、フリースロー、そしてゴール下のシュートを決め切る極意を聞いた。
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〔レイアップ編〕
バスケットボールにおいて、誰しもが最初に教わるシュートの一つであり、最もポピュラーかつ確実性の高い得点方法がレイアップだ。ただ、シンプルゆえに難しい部分も多く、NBA選手であってもミスをしてしまうことも。そんなレイアップのミスを減らし、より有効な得点手段にするためのコツとは?
《+αのテクニック》フィンガーロール
フィンガーロールとは、その名のとおり指(Finger)でボールに回転(Roll)をかけて打つシュートのことを指す。一般的にはレイアップの際にボールに縦回転をかけて、ひょいっと空中に放るようにリリースすることで、相手のブロックを回避するのに有効な技術となっている。
しかし、指先のコントロールが非常に繊細で、マスターするのに時間がかかる技術でもある。ワンランク上の自分になるために、ここでフィンガーロールの練習法を学んでみよう!
〈Point 1〉ボールがアゴと肩の間にくるように
ボールを下げてしまうと相手に取られてしまうリスクがあるので、シュートモーションに入る前からボールを取られにくいアゴと肩の間くらいの位置にキープすると良いでしょう。
〈Point 2〉下半身の力を上半身に伝える
両足でジャンプして着地したところからボールに回転をかけてシュートを打つので、下半身の力を上半身に連動して打つことが大切です。Point 1のようにボールを高い位置でキープしている分、特に小中学生くらいの年代の子たちでは、手首の力だけでシュートを届かせるのは難しいです。なので、ジャンプしてスクワットをしたような状態になってから、その力を体全体に連動させることが大切です。いきなり連動させるのは難しいと思うので、上半身の動きと下半身の動きを別々に練習して、最終的に組み合わせるのも良いと思います。
〈Point 3〉ボールに真っすぐ回転をかける
ボールに斜めの回転がかかると難易度が上がってしまうので、まずは真っすぐ回転をかけることを意識しましょう。親指や手首などの指先を真上に返してボールに縦回転をかけることを意識して、斜めに回転がかからないように慣れていくことです。このステップも分割練習できるので、真っすぐ回転をかける練習だけをして、その他のポイントと組み合わせても良いと思います。
《最後に…》
「レイアップ編」でメインに紹介したオーバーハンドレイアップですが、どんな場面でも有効とは限りません。
例えば自分よりも大きい相手に対して上から打とうとすると、ブロックされてしまう可能性があり、有効とは言えないのです。それは、僕が指導に携わっている福岡大附大濠高の選手たちにも言えること。
大濠の選手たちは全国各地から集まってきた精鋭ぞろい。つまり、勝つためのバスケットを教わってきた選手たちです。そのため、オーバーハンドレイアップでシュートを打つ選手が多いのですが、それにより、かえって留学生にブロックされてしまうケースが多かった。
特に今の選手たちはアンダーハンドレイアップを教わっていないこともあって、逆に留学生などの高さのある選手に対して、それをくぐってレイアップを打つことができない場合があるのです。クリニックなどに行っても多くの選手がアンダーハンドだとコントロールできずに外してしまいます。
そういう点では、アンダーハンドではダメというのではなく、オーバーハンドから始めてもらって、アンダーハンドもしっかりと練習し、手首の返しなども覚えておくと良いでしょう。
〈次回に続く〉
※『月刊バスケットボール』2022年7月号に掲載したものを再編集した記事になります
※取材協力者:丸田健司コーチ、杉本陽飛、宮嶋秀彰、山銅彪剛(*選手3名は取材当時は中学3年生、現在は高校1年生)、取材協力:KAGO CLUB、撮影場所:KAGO SKILLS LABO(大阪府堺市堺区柏木町2-4-3)
タグ: バスケ基本