月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.11.16

戦列復帰の渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)、日本時間11.16(水)vsキングス戦も「Available(出場可能)」

 左足首ネンザにより2試合を欠場し、日本時間11月14日のロサンゼルス・レイカーズとのアウェイゲームで戦列復帰を果たした渡邊雄太は、その復帰初戦でフィールドゴール8本中5本を成功させて11得点、5リバウンド、2アシスト、1ブロックと攻守に良い動きを見せた。得点とリバウンドはいずれも今シーズン2番目に良い数字で、ケビン・デュラントからのパスを受けて速攻で決めたスラムダンクや、ファウルを受けながらねじ込んだレイアップ(フリースローも成功させた)、アンソニー・デイビスのゴール下のショットをブロックしたプレーなど、ケガの影響をほぼ感じさせない活躍ぶりだった。

 


日本時間16日のサクラメント・キングスとの一戦でも、インジャリー・レポートの記載は「Available(出場可能)」となっており、活躍が期待される。オフコートの問題で出場停止処分となっているガードのカイリーアービングはこの試合も欠場だが、レイカーズ戦を休んだシューターのセス・カリーとオールラウンダーのベン・シモンズ、その試合で目を負傷して途中離脱したセンターのニコラス・クラクストンは「Available」となっている。


ネッツにとって今回のキングス戦は、低迷中のレイカーズ(現時点で3勝10敗、勝率.231)を相手に6試合ぶりに3桁得点を奪われ103-116で敗れた後の立て直しを図りたい一戦だ。レイカーズ戦はオフェンス面で3Pショットが27本中7本の成功にとどまったことが敗因の一つで、渡邊自身も8試合続いていた3Pショット連続成功記録が途切れた。またディフェンス面ではクラクストンの離脱も影響して、デイビスに37得点、18リバウンドという今シーズン最高の活躍を許したことが響いた。その前日ロサンゼルス・クリッパーズに110-95で勝利した後の連戦で、チームとして疲れも残っていたかもしれない。


現在6勝8敗(勝率.429)でイースタンカンファレンスの12位。日本時間11月2日(北米時間1日)のシカゴ・ブルズとのホームゲーム以降ヘッドコーチがスティーブ・ナッシュからジャック・ボーンに交代(同日からの4試合はヘッドコーチ代行として、10日[北米時間9日]のニューヨーク・ニックス戦からは正ヘッドコーチとして指揮を執っている)し、ボーン指揮下での直近7哀史は4勝3敗と勝ち越しているが、まだチームとして不安定な状況を抜け切れていない。


11月は試合日程も難しい月で、16試合中10試合がアウェイ。現在は4試合のウエスタン・スイング(西海岸遠征)が進行中だが、日本時間21日(月=北米時間20日[日])に一度ホームに戻ってメンフィス・グリズリーズと対戦した後も、日本時間26日(土=北米時間25日[金])までイースタンカンファレンスのライバル3チームとのアウェイゲームが続く。


そうした中だけに、渡邊にとっては良いコンディションで試合に臨むこと自体がまずは一つの貢献と言える。また、ネッツのオフェンスはデュラントを中心としてボールがよく回っており、渡邊にもオープンな状況での3Pショットやペイントへのカッティングでパスを受けての得点機がたびたび訪れている。渡邊としては最大の持ち味であるディフェンスでの存在感を発揮した上で、キングス相手にも現状のフィールドゴール成功率60.0%、3P成功率50.0%の力をしっかり見せたいところだ。


渡邊はここまでにネッツが戦った14試合中11試合に出場し、平均6.1得点、2.6リバウンド、0.6アシスト、0.3スティール、0.6ブロックというアベレージ。得点とブロックショット、前述のフィールドゴール成功率と3P成功率はいずれもキャリアハイペースの数字となっている。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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