月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.11.09

ジョーダンの謝罪がなければ「この確執はずっと続く」、アイザイア・トーマスが2人の確執について発言

 

【ギリシャのTVでトーマスがMJについて発言】

 

アイザイア・トーマス(元ピストンズ)がギリシャの「COSMOTE TV」の取材を受けた際、マイケル・ジョーダン(元ブルズ)との確執について触れ、「公式な謝罪がないかぎり、この確執はずっと続くだろう」と語った。

 

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「私は家族と一緒に『ラストダンス』を見ていたんだ。そして、この人(ジョーダン)が出てきて、私のことを嫌いだと言っていた。“a**hole(くそったれ)”と言ったんだ。それから、このくそったれについてのドキュメンタリーを全部見ることになった。ちょっと待てよ、タイムアウトだ。公式な謝罪がないかぎり、この確執はずっと続くだろう。私はシカゴ西部出身だからだ」とインタビューの中で、ジョーダンとの確執について語ったトーマス。

 

『ラストダンス』は2020年にESPNが制作し、ネットフリックスなどでも配信されたドキュメンタリー。トーマスとは、ジョーダンのルーキー時代から因縁がある。NBA1シーズン目のオールスターに出場したジョーダンは、意図的にパスを回されない“フリーズアウト”事件に遭っているのだが、トーマスが主導したと言われている(トーマス本人は否定)。さらに1988年のNBAプレイオフから、ブルズは3年連続でトーマスがいた“バッドボーイズ”ピストンズに敗退。これで“ジョーダンルール”(ダブルチーム、トリプルチームなどでジョーダンに得点させないディフェンス)もより有名になっている。

 

しかし、ブルズは1991年のイースタン・カンファレンスファイナルでピストンズをスウィープで勝利する。ついに憎き敵を倒したわけだが、ピストンズの選手たちは試合終了のブザーを待たずに、握手もせずにロッカールームに帰ってしまった。これが決定的だったとも言われている。この握手拒否をジョーダンは無礼だと受け止め、関係が悪化したというのだ。

 

「当時は、そんなことは通用しなかったんだ。負けたら、その場から立ち去る。それだけだった」とインタビューの中で答えたというトーマス。だが、Yahoo!のバスケライターであるジェイソン・オーウェンス氏は、1992年にトーマスは「あの時、私たちは怒っていた。スポーツマンシップに反する行為だった。とても感情的な反応だったんだ」と答えていると指摘している。

 

1991年のNBAプレイオフから31年が経過した今でも確執が続く両者だが、雪解けの時は訪れるのだろうか?

 

文/広瀬俊夫(月バス.com)

 



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