月刊バスケットボール5月号

NBA

2022.11.08

八村 塁(ウィザーズ)奮起の15得点 - ミドルレンジの安定感を発揮

 日本人対決となったブルックリン・ネッツとの試合で2得点のみに終わったワシントン・ウィザーズの八村 塁が、日本時間11月7日(北米時間6日)のメンフィス・グリズリーズとの一戦で奮起の活躍を見せた。試合には97-103で敗れたが、八村は今シーズン2番目に多い15得点を記録したほかリバウンドも3本。特に追い上げる展開となった後半の2ピリオドで11得点とチームの力になった。

 


八村はミドルレンジからのシューティングタッチが良く、ペリメーターから1対1を仕掛けてディフェンダーをインサイドに押し込んだ後、ショットに十分なスペースを作って悠々決めるジャンプショットを高確率で決めた。フィールドゴールは12本中7本成功(3Pショットは3本中1本成功)。ペイント内でのフィジカルなプレーやアグレッシブなオフェンス・リバウンドからのプットバック、コーナーからの3Pショットなど、この試合でも力強く、かつ多彩なフィニッシュで得点を重ねた。


今シーズンはここまでの10試合すべてでベンチスタートの八村は、平均10.5得点、5.1リバウンド、1.0アシスト、0.2スティール、0.6ブロック、フィールドゴール成功率45.7%、3P成功率25.0%、フリースロー成功率73.7%というアベレージ。出場時間が4年間のキャリアで3番目の23.3分と相対的に短い中でも、10試合中8試合で2桁得点を記録するなど効率よい活躍をできている。1試合当たりではなく100ポゼッション当たりの換算で見ると八村は22.3得点、10.8リバウンドで、得点は昨シーズン(24.9)に次ぐ数字であり、リバウンドは2Pショットの成功数8.1本とともに4年間で最も良い成績だ。

 


ネッツ戦の2得点は例外中の例外と言える結果だった。6日のグリズリーズ戦を含めキャリア全体でプレーした157試合中、八村が2得点以下だったのは4試合だけ。しかも次戦で即座に、当たり前のように2桁得点に戻してきたところを見ても安定感に陰りはない。また、今シーズンはすでに6本のブロックショットを記録している。これは過去3シーズンを大幅に超える好ペース。トータルで最も多かった昨シーズンでも42試合で9本だったのであり、リムプロテクターとしての存在感も今後もさらに増していきそうだ。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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