月刊バスケットボール5月号

【福岡予選(女子)】4Qで抜け出した東海大付福岡が福岡大附若葉を下して1位通過!

 

 11月3日、アクシオン福岡で行われたウインターカップ福岡県予選の最終日。女子は出場枠が2枠で、決勝リーグにより東海大付福岡と福岡大附若葉が全国への切符を手にし、ウインターカップのシード権の懸かる優勝決定戦を争った。

 

 夏のインターハイ予選も両チームによる決勝となり、4Qで巻き返した東海大付福岡が2点差で逆転勝利。勢いに乗った東海大付福岡がその後、九州大会で初優勝、インターハイ3位入賞という大躍進を果たしたことは記憶に新しい。今回、2年生エースの#7浜口さくらは膝のケガで欠場となったが、充実の夏を経て経験を積んだ選手たちが、同県のライバル相手にどんな戦いを繰り広げるか注目が集まった。

 

 一方の福岡大附若葉も、インターハイには出られなかったものの昨年からのスタメンが多く残る実力校。この夏にU16アジア選手権、U17ワールドカップに出場して経験を積んだ2年生スコアラーの#7東紅花を中心に、リベンジを期して福岡頂上決戦に臨んだ。

 

 

 試合は立ち上がりから激しいディフェンスの応酬となり、互いに譲らぬ展開。異なるタイプとあってオフェンスは対照的で、東海大付福岡がPGの#10伊良部由明を起点にファール・アミナタ(198cm)や#15伊東友梨香(176cm)の高さを生かせば、福岡大附若葉は#4山下莉来や#8古川莉緒、さらにはセンターの#15柿元舞音までもが次々に3Pシュートを決めていった。

 

 2Q残り6分には東海大付福岡が11点リードしたものの、福岡大附若葉に短時間で4本の3Pシュートを許して追い上げられる。それでも#15伊東のフリースローや#34アミナタのリバウンドシュートで逆転はさせず、東海大付福岡の4点リード(37-33)で後半へ。

 

 3Qに入っても、東海大付福岡が逃げ、福岡大附若葉が追い掛ける展開が続いた。#34アミナタ以外の得点が止まった東海大付福岡に対し、福岡大附若葉は#7東の3Pシュートや#15柿元の得点で逆転に成功。4Q序盤には#4山下の3Pシュートで5点差を開く。

 

 

 ただ、ここで東海大付福岡はタイムアウトを挟み、シックススマン#9赤間静夏が冷静にジャンプシュートを決める。そして4Q後半から、オフェンスリバウンドで得点を量産したのが#34アミナタ。連続8得点で残り3分6点リードとし、勝利を大きく引き寄せた。福岡大附若葉は3度のタイムアウトを取って反撃を図るが、状況を覆すことはできず。そのまま81-71で試合終了となり、東海大付福岡がウインターカップへの1位通過を決めた。

 

 試合後、福岡大附若葉の池田憲二コーチは「本当はもっとブレイクを出したかったしハードワークしたかったのですが、インターハイ予選のときと同じように、疲れが出て終わってしまいました。6、7、8人目を作るという夏の課題がまだ克服し切れていない。東も普段はもっとシュートが入るのですが、少し気負い過ぎていたのかなと思います」と反省の弁。とはいえここで終わりではなく、悔しさを晴らす場としてウインターカップ本戦がまだ残っている。キャプテンの#4山下は「大事なところで少し足が止まってしまいました。自分たちのディフェンスからリズムを作って、若葉の伝統である“走るバスケット”を、本戦ではもっと出していきたいです」と誓っていた。

 

 

 一方、優勝という結果で4年連続出場のウインターカップに弾みを付けた東海大付福岡。「苦しい展開にはなりましたが、選手たちも落ち着いていたので、僕としてもどこか安心した気持ちで試合を見られた気がします」(宮﨑優介コーチ)と、積んできた経験値を存分に生かせた様子だ。宮﨑コーチが赴任してからの12年間、同じ年で夏・冬どちらも全国に出るのは初めてのこと。インターハイ前の「全国ベスト4」という目標を見事達成した夏を経て、「夏よりもっと勝ち上がって、絶対に優勝したい」(#34アミナタ)とさらなる高みを目指して冬の舞台に乗り込む。

 

 なお、3位決定戦では近年メキメキと力を付けてきた福岡第一が、強豪・精華女に89-76で勝利。スコアラー#8具志堅乃愛と大黒柱の#10マカヌアンバ・ロリアンがそれぞれ22得点、キャプテン#7眞鍋友徠が5本の3Pを含む19得点でチームを引っ張った。男子に続けと全国への扉をこじ開けることはかなわなかった福岡第一の女子部だが、インターハイ予選に続いて県3位の結果でシーズンを締めくくった。古海圭二コーチは「今の3年生は僕が最初にリクルートした学年。過去の下積みもないチームですしコロナもあって、順調にいかないことも3年間でたくさんありました。全国出場は果たせなかったけれど、最後はすごく選手たちが自立して自分たち主導で戦ってくれて、トップダウンではなくボトムアップのチームになっていた。チームの一つの礎を築いてくれたと思います」と選手たちをたたえていた。

 

 

※ウインターカップ福岡県予選2022(女子)のフォトギャラリーは「続きを読む」へ!

○取材・写真/中村麻衣子(月刊バスケットボール) 

 



PICK UP