安間志織(ベネツィア)、ユーロカップ奪取、セリエA1王座奪還への大きな期待
安間志織が所属するベネツィア(Umana Reyer Venezia)が、日本時間11月3日早朝(スペイン現地時間2日夜)にFIBAユーロカップ2022-23シーズンのレギュラーシーズン第2戦となるゲルニカ(Lointek Gernika Bizkaia、スペイン)との一戦に臨み、76-59で勝利した。安間はスターターとして出場し、8得点、リバウンド、2アシスト、2スティールを記録。攻守にアグレッシブなプレーを見せ貢献した。
ゲルニカのトリプルチームも何のその。安間志織はチームを勝利に導いた(写真/©FIBA.EuroCup2022-23)
ベネツィアはこれで2勝0敗となり、現時点でグループHのトップに立っている。安間個人は平均12.0得点、3.5リバウンド、4.0アシスト、2.5スティールというアベレージ。安定感のあるパフォーマンスだ。
ベネツィア、念願のユーロカップ奪取なるか?
ユーロカップは一般的に、ヨーロッパの最高峰とされるユーロリーグと連動する第2の国際リーグ(セカンドティアー[Second tier])として知られている。ユーロリーグが、前シーズン優勝チームおよびヨーロッパ諸国の各連盟・クラブランキングから上位とみなせる15チーム(計16チーム)しか参戦できないのに対し、ユーロカップは門戸が広いのが一つの特徴で、今シーズンは48チームが参戦している。ただしどんなチームでも参戦できる舞台ではなく、総じて各国の上位チームが交流する機会となっている。言うまでもなく高水準の競技レベルが担保されているリーグだ。
フォーマットはレギュラーシーズンとプレーオフに大きく分けることができる。レギュラーシーズンでは、48チームが地理的な区分による2つのカンファレンスとその中での12のグループに4チームずつ振り分けられ、それぞれでホーム&アウェイの対戦を行っていく。レギュラーシーズンの所属グループで2位以上になるか、カンファレンス内の6つのグループで3位となった6チーム中成績上位の4チームがプレーオフに進む(計32チーム)。プレーオフはラウンド1からファイナルまで5ラウンド行われる。
これがユーロカップ。ベネツィアとしてはぜひとも手にしたいトロフィーだ(写真/©FIBA.EuroCup2022-23)
ユーロカップでのベネツィアは直近4シーズン中3度ファイナルに駒を進めるなど好成績を残してきた。しかし逆に言えば、あと一歩のところで勝ちきれない悔しさを何度も味わってきている。安間を含めた今シーズンの補強は、昨シーズン逃した国内リーグでの王座奪還(一昨シーズンはチャンピオンだった)に加え、このカップを獲りにいくこと、さらには来シーズン以降のユーロリーグ参戦というところまでを視野に入れた、非常に大きな期待を込めたものと言えそうだ。安間としても、一昨シーズンのWリーグ制覇と昨シーズンのドイツブンデスリーガ制覇に続き、セリエA1の王座獲得、そしてヨーロッパ全土に存在感を示すことができるユーロカップでチームを躍進させることの意義は計り知れないほど大きい。
ユーロカップでのベネツィアは、この日対戦したゲルニカのほかエストゥディアンテス(Movistar Estudiantes、スペイン)、昨シーズン安間がドイツで対戦したことがあるケルターン(Rutronik Stars Keltern、ドイツ)と同組のグループHで、レギュラーシーズンは残すところあと4試合。次戦はホームのパラスポルト・タリエルチョ(Palasport Taliercio)で日本時間11月11日(金=イタリア時間10日[木])に行われるケルターンとの一戦だ。
なお、イタリア国内リーグセリエA1では、ベネツィアはこれより早く日本時間11月6日(日=イタリア時間5日[土])にルッカ(Gesam Gas and Light The Walls Lucca)とレギュラーシーズン第7戦を戦う予定になっている。
文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)