月刊バスケットボール5月号

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2022.10.30

【速報】安間志織、イタリアリーグセリエA1の3試合目も攻守で勝利に貢献

※本稿のスタッツはすべて手元集計の速報値です


安間志織が所属するイタリアリーグセリエA1のベネツィア(Umana Reyer Venezia)が、日本時間10月30日未明(イタリア時間29日夜)に2022-23レギュラーシーズン第6戦となるブリシア(RMB Brixia)との一戦に臨んだ。試合前の時点で開幕から無傷の5連勝と好調のベネツィアは、今シーズン1勝しかしていないブリシアに対し94-47とダブルスコアで大勝。安間はスターターとしてコートに立ち5得点、5アシスト、4スティール、フィールドゴール成功率50.0%(4本中2本成功、3Pショットは1のンのアテンプトが成功)の活躍で勝利に貢献した。ベネツィアはこれで今シーズン6戦全勝となり、現時点でセリエA1の首位に躍り出ている。


3日前に行われたユーロカップ初戦でベネツィア加入後最多の16得点を記録した安間は、この試合でもティップオフ直後の先制点につながるパスをつなぐなど序盤からオフェンスの起点となった。最初の得点は36-21とリードを広げて迎えた第2Q開始2分45秒過ぎで、右コーナーから3Pショットを成功させた。その後、第3Q開始35秒過ぎにも後半の先制点となるドライビングレイアップを沈めて得点を5に伸ばす。このクォーターの残り7分50秒に、自らのスティールから速攻に持ち込みフォワードのアワク・クィエール(Awak Sabit Bior Kuier)のレイアップをアシストして60-29とした時点で交代し、以降は一方的な展開の中で御役御免となったが、全体としてアグレッシブなディフェンスとスピードを生かしたトランジションから多くの得点機を生み出し、チームを勢いづける活躍だった。

 

タレントぞろいのベネツィアのポテンシャルを引き出す安間


この試合で安間が得点をおぜん立てしたフィニッシャーたちの顔ぶれは多彩だ。例えば前半終了間際に安間を起点に展開された速攻で得点したマティルデ・ビッラ(Matilde VILLA)は、なんと2004年12月9日生まれの17歳。ビッラはすでにイタリアのA代表でデビューを飾っている逸材で、ベネツィアでは安間のバックアップとしてプレーメイカーの役割を務めている。安間はビッラにとって最高のロールモデルと言えそうだ

 


ベネツィアのチーム写真。前列右端に安間、左端にビッラがいる。後列左から4番目がシェパード、中央がクィエール、右から2番目がデラーレ(写真/©FIBA.EuroCup2022-23)

 

 


昨年秋のFIBAユーロバスケット2023予選でイタリアのA代表デビューを果たしたビッラの勇姿(写真/©FIBA.EuroBasket2023)


この試合で1本目のアシストの相手だったアントニア・デラーレ(Antonia DELAERE)は、国際舞台で日本代表の好敵手であるベルギー代表のスモールフォワードだ。東京2020オリンピック準々決勝で日本と対戦した際にも10得点を記録していた。第3Q開始48秒過ぎに速攻でチームの56点目をアシストしたプレーでフィニッシャーとなった身長193cmのフォワード、ジェシカ・シェパード(Jessica Lynn SHEPARD)は、WNBAのミネソタ・リンクスで直近の2022シーズンを含め3シーズンプレーした経験を持っている。


身長196cmでインサイドでもアウトサイドでも器用にプレーするフォワードのクィエールはフィンランド代表。この夏はWNBAのダラス・ウイングで活躍し、豪快なダンクがその日のトップ10プレーに選ばれたこともあった。

 


身長196cmの高さに加え、走れて3Pショットも武器としているクィエールの存在感も大きい(写真/©FIBA.EuroCup2022-23)


こうした顔ぶれを見ても、ベネツィアにワールドクラスのタレントがそろっていることがわかる。その中で安間は、セリエA1とユーロカップという二つの舞台でチームメイトのポテンシャルをうまく引き出す存在だ。今後安間のリーダーシップの下でベネツィアがどのような進撃見せるか、非常に興味深い。

 


安間はプレーメイカーとして確実に存在感を強めている(写真はユーロカップ初戦のエストゥディアンテス戦より/©FIBA.EuroCup2022-23)


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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