月刊バスケットボール6月号

今月の逸足(CLASSIC KICKS)Vol.9-1

  Nike AIR MAX 95 ナイキ エア マックス 95   文=岸田 林   レブロンら有名人も愛用する ランニングシューズの枠を超えた傑作   一流選手が試合で履いているキックスに注目が集まるのは自然なこと。だが、SNSでプライベートな一面を発信するアスリートが増えた昨今、彼らのオフコートでの足元が注目される機会も増えている。現役最強プレイヤーの呼び声高く、自らをスニーカーヘッズ(熱狂的なスニーカー好き)と称するレブロン・ジェームズ(キャバリアーズ)は、その代表的な存在だろう。プロ入りと同時にナイキと契約したレブロンは、試合ではもちろん自身のシグニチャーモデルを着用しているが、プライベートでは「エア ジョーダン」シリーズ(Ⅲ、Ⅳ、Ⅺがお好みのようだ)、「エア フォース ワン」、「ダンク」といったレトロキックス、カニエ・ウエスト(ミュージシャン)とナイキによるコラボモデル「エア イージー」など、マニア垂涎のモデルを着用しているシーンが度々キャッチされている。   中でもランニングシューズの「エア マックス」シリーズは彼のお気に入り。これまでもオフコートでニューモデルを着用する私服姿が報じられているほか、昨年のNBAファイナルでは、シュプリーム(ストリートファッションブランド)とのコラボモデルの「エア マックス98」を試合前の練習時に着用。またシリーズ誕生30周年となった今年の3月26日には、自身のインスタグラム(@kingjames)に復刻された初代モデルの写真と「エア マックスデー」を祝うメッセージを投稿。そんなレブロンの「エア マックス」愛は筋金入りで、2015年にはナイキから「エア マックス95」のデザインを融合させたバッシュ「レブロン12 LO」と、キャブズのチームカラーをイメージした「エア マックス95 GAME TIME」も発売されたほど。同じナイキとはいえ、選手が自身のシグニチャーモデル以外のシューズをこれだけPRすることは、異例と言えるだろう。   だが意外にも、ナイキの代表的ランニングシューズである「エア マックス」は、これまで陸上選手ではない人々によってPRされてきた。「エア マックス」のTVCMに出演した陸上選手は1993年のクインシー・ワッツ(米国・バルセロナ五輪男子400m金メダリスト)とセルゲイ・ブブカ(ウクライナ・棒高跳び)ぐらい。94年には作家・詩人のウィリアム・バロウズを起用した異色のTVCM(「エアマックススクエア」)が話題となっている。 (つづく)   写真=石塚康隆 (月刊バスケットボール2017年9月号に掲載)

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