月刊バスケットボール24年3月号

Bリーグ

2022.10.27

B2東地区首位攻防戦は延長の末アルティーリ千葉が越谷アルファーズを下す

 10月26日にウイング・ハット春日部で行われたB2東地区の首位攻防戦、越谷アルファーズ対アルティーリ千葉(以下A千葉)の一戦は、リードが16回変わり、同点となる状況が15回訪れる大激戦となり、延長の末アウェイのA千葉が85-80で勝利した。平日夜の試合だったが、会場に集まった1,006人の観客を緊迫感に満ちたプレーの応酬が大いに盛り上げた。


試合開始時点の両チームは、7勝1敗(勝率.875)で東地区首位の越谷を6勝2敗(勝率.750)のA千葉が1ゲーム差で追う2位という状況だった。しかしこの試合の結果を受け両チームはどちらも7勝2敗(勝率.778)となり、対戦成績によるタイブレーカーで現時点でA千葉が東地区首位の座に就いている。

 


アルティーリ千葉のチームハイ・タイとなる20得点を挙げたレオ・ライオンズのダンク(写真/©B.LEAGUE)


越谷アルファーズ 80(20 15 21 19 05)
アルティーリ千葉 85(22 10 25 18 10)
トップパフォーマー(P=得点、FG=フィールドゴール成功率、3P=3P成功率、R=リバウンド、A=アシスト、S=スティール、B=ブロック)
越谷: ブレコット・チャップマン(22P、FG=56.3%、3P=40.0%、11R、4A、2S、2B)、ジャスティン・ハーパー(14P、5R、2A)、駒沢 颯(11P、FG=55.6%、2R、4A、1B)、長谷川智也(10P、FG=60.0%、3P=66.7%、2R、1A、1S)、松山 駿(8P、3P=50.0%、3R、7A、5S、1B)、アイザック・バッツ(5P、8R、1A、2B)
A千葉: ブランドン・アシュリー(20P、FG=57.1%、8R、2A、2B)、レオ・ライオンズ(20P、9R、3A、3S、1B)、コービー・パラス(14P、3P=50.0%、4R、1A、1B)、杉本 慶(8P、FG=50.0%、3P=66.7%、5R、6A、1S)、藤本巧太(4P、FG=66.7%、6A、1S、1B)

 

越谷、ブレコット・チャップマンの豪快第4Q同点ダンク実らず


序盤の接戦から最初に抜け出したのはA千葉で、第2Q半ばにブランドン・アシュリーの3Pプレーとコービー・パラスの5連続得点で8-0のランを展開した時点で30-24と6点リードした。しかし、越谷のジャスティン・ハーパーとA千葉の杉本 慶がフィールドゴールを1本ずつ成功させた後、今度は越谷がハーフタイムをまたいで怒涛の16連続得点を記録して一気に42-32と優位に立つ。この時間帯までの越谷は、アイザック・バッツを軸とした越谷のオフェンスリバウンドが威力を発揮し、そのままリードを広げる勢いも感じさせていた。


A千葉が流れを引き戻すきっかけとなったのは、越谷の連続得点を止めた大塚裕土の3Pショット。松山 駿がすかさずお返しの3Pショットで10点差に戻したが、キャプテンのここぞの一撃にA千葉は杉本と小林大祐の連続3Pショットが続く。さらにA千葉は藤本巧太の好ディフェンスや前半苦しめられたリバウンドでの奮闘が実り始め、徐々に劣勢を挽回していった。


57-56でA千葉1点リードという状態で突入した第4Qは、どちらも譲らぬ激闘。73-73の同点で迎えた残り1分37秒には、ブレコット・チャップマンが強烈なトマホークダンクを叩き込み、ホームのファンを沸かせた。しかし残り1分を切ってから、A千葉はレオ・ライオンズがフリースローを得て2本しっかり沈めて75-75。このスコアで延長になだれ込むこととなった。

 


第4Q終盤のブレコット・チャップマンのダンクは会場を大いに沸かせた(写真/©B.LEAGUE)


両チームの持ち味がコート上で火花を散らしたこの一戦で、延長に入って勝負を分けたのはディフェンスとフリースローだった。駒沢 颯のミドルジャンパーで越谷が77-75とリードした後、A千葉は最後の約3分間を10-3のランで締めくくったが、77-77に追いつく藤本のフィールドゴールを除く8得点はフリースロー。また、81-80とリードを奪い返して迎えた最後の1分間に、ショットクロックバイオレーションとインバウンドでの5秒オーバーと越谷に手痛いターンオーバーを2度犯させた。


試合後、越谷の桜木ジェイアールスーパーバイジングコーチは「試合前に話したのは、ペイントにより多く攻め込んだ方が勝つということでしたが、今日はそこでやられました(We talked about before the game the team that gets to the paint the most will probably win this game. They won that battle tonight.)」と敗因を分析した。A千葉のアグレッシブさはフリースローの本数に現れている。A千葉はアシュリーが11本すべて成功、ライオンズも7本すべて成功で、チームとして24本中20本成功という数字。対して越谷は6本中5本。確率は良かったものの、成功数での差は勝負に大きく響いた。

 


序盤からアグレッシブなペイントアタックを繰り返したブランドン・アシュリー。勝負に大きなインパクトをもたらした(写真/©B.LEAGUE)

 


越谷の良かった点として破壊力のあるA千葉のオフェンスを、レギュレーションの40分間では80点以下にとどめたことが挙げられる。得点源のイバン・ラべネルはフィールドゴール2本のみの4得点。この点については「インサイドを締めて、できるだけ相手がドライブしづらいようにしようという考えでした(We really wanted to shrink the floor as much as we could to cut off the driving lanes.)」とコンセプトを説明してくれた。「しかし相手には優秀なシューターがそろっていたので、オープンルックを与えないようにカバーもしなければいけませんでした。難しいところでしたが、ウチのプレーヤーたちも頑張ってくれていました( But at the same time, they had great shooters. So, we knew we had to cover the shooters as well and not give up any open looks. It took a lot of effort. But the guys were really in to do it.)」


この辺りは、今後の対戦で対策を講じなければならないところに違いない。

 


6得点、4リバウンド、2アシストという数字以上に良い流れを作るプレーをしていた菊池祥平(写真/©B.LEAGUE)

 

「良いチームになれることがわかった」——A千葉レマニスHC

 

 勝ったA千葉のアンドレ・レマニスHCは、「接戦になり、勝つのはどちらか一方だけ。ありがたいことに我々がそうできました。でもどちらに転んでもおかしくない展開でしたね(In a close game like that, one team is in front at the end. Obviously thankful. It was us. But it could have gone either way.)」と激闘を振り返るとともに、以下のように手ごたえを言葉にしていた。


「この試合の大切さを試合前に話し合いました。勝利以上に、この試合では気力を込めてプレーし、自分たちらしいバスケットボールができるかどうか、それがこのリーグでどのくらい通用するかを見極めることだと。地区で首位チームが相手ですから、我々自身の力を試すテストでした。いくつかわかったことがありますが、我々が良いチームになれるのだということもその一つです(We spoke about the importance of the game before. And it’s not that we had to come out and win. We had to come out and play with the energy and our style of basketball to see where we were at in terms of the league. We were playing the No.1 team in the conference. And it was a good opportunity for us to sort of test ourselves. I thought we found out something about ourselves. And one of the things we found out is that we can be a good basketball team.)」


勝因の一つには、前半で7リバウンドを記録していたバッツに後半は1本しか獲らせなかったゴール下の奮闘も挙げられる。これは越谷との対戦だけでなく、どことやる場合にも強化したポイントであることもレマニスHCは語っていた。


この先、両チームがどのような形でシーズンを進めていくかはまだまだ何ともわからないが、今シーズン中に5度残された対戦(下記)は非常に見応えのある戦いになりそうだ。越谷の桜木スーパーバイジングコーチとの別れ際に、A千葉との次の対戦機会も楽しみにしていると伝えると、「ありがとう、次は勝ちますよ(Thank you. We will win next time.)」と笑顔で答えてくれた。

 

☆今シーズン中の越谷アルファーズとアルティーリ千葉の対戦
2022.12.28(水)バルドラール浦安アリーナ
2023.2.25(土)-26(日)ウイング・ハット春日部
2023.4.22(土)-23(日)千葉ポートアリーナ


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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