月刊バスケットボール6月号

NBA

2022.10.20

NBA2022-23シーズンが開幕 - 八村 塁はルーキー契約最終シーズン、渡邊雄太は日本人最長の5シーズン目に突入

 日本時間10月19日(北米時間18日)に行われたボストン・セルティックス対フィラデルフィア・セブンティシクサーズの一戦で、NBAの2022-23シーズンが幕を開けた。この日は、イースタンカンファレンスのこの対戦に続いて、ウエスタンカンファレンスでゴールデンステイト・ウォリアーズ対ロサンゼルス・レイカーズ戦の一戦も行われ、東西で熱戦が繰り広げられた。

 

 両試合でホームチームだったセルティックスとウォリアーズは、どちらも所属カンファレンスで昨シーズン王者となったチーム。最終的にリーグ制覇を果たしたウォリアーズは、ティップオフ前にチャンピオンリングを受け取るセレモニーも行った。

 

 勝利を手にしたのもこの両チーム。セルティックスはジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンがともに35得点を稼ぐ活躍で、シクサーズを126-117のスコアで破った。シクサーズではジェームズ・ハーデンがテイタムとブラウンに並ぶ35得点を挙げたが、実らなかった。セルティックスは、ヘッドコーチのイメイ・ウドカがクラブ組織内での女性との不適切な関係が明るみに出たことで1年間の出場停止という懲戒処分を受けている。混乱の中で迎えた開幕だったが、エース格の活躍によるうれしい勝利となった。

 

 一方ウォリアーズは33得点、6リバウンド、7アシストとオールラウンドな活躍を見せたステフィン・カリーの存在が光り、31得点のレブロン・ジェームズ、27得点のアンソニー・デイビスと主役が奮闘したレイカーズを123-109で退けている。ウォリアーズでは、キャンプ期間にチームメイトのジョーダン・プールにパンチを浴びせて謹慎処分を食らったドレイモンド・グリーンも登場。両者の間でピック&ロールから得点を生む場面もあり、懸念されたケミストリーの問題も乗り越えられそうな気配を感じさせた。

 

 

 NBAは翌20日(北米時間19日)にも12試合が行われる予定。ミルウォーキー・バックスとロサンゼルス・クリッパーズを除く28チームが、この日に初戦を戦うこととなる。バックスとクリッパーズも、その翌日には初戦を迎える。

 

 今シーズンのNBAの開幕ロスターは、全30チームにアメリカ国外のプレーヤーが最低一人は登録されているという。リーグ全体では国外プレーヤーの人数は120人に上るという。最も多いのはカナダ国籍の22人。また同国のトロントをホームタウンとするトロント・ラプターズは、国外からのプレーヤーがリーグ最多の8人登録されている。

 

 出身国という意味では渡邊雄太所属のブルックリン・ネッツもユニークなチームだ。ネッツにはオーストラリア出身のプレーヤーが3人(カイリー・アービング[アメリカ国籍]、パティー・ミルズ、ベン・シモンズ)、日本出身のプレーヤーが二人(渡邊とキャム・トーマス[アメリカ国籍])と、FIBAのアジア・オセアニアゾーン出身者が5人登録されている。また、渡邊とトーマス、2ウェイ契約のデイビッド・デュークJr.の3人はいずれも10月13日が誕生日という奇遇な縁がある(渡邊は1994年、デュークJr.は99年、トーマスは2001年生まれ)。

 

 日本国籍のプレーヤーは、ワシントン・ウィザーズでルーキー契約の最終年を迎える八村 塁と、日本人として最長の5シーズン目に突入するネッツの渡邊の二人。両者とも、来シーズン以降のキャリアを展望する上で重要なシーズンとなるのは間違いなさそうだ。八村所属のウィザーズは、日本時間20日午前8時からのインディアナ・ペイサーズとのアウェイ戦が開幕初戦。渡邊所属のネッツは同午前8時30分から、ホームのバークレイズ・センターにニューオリンズ・ペリカンズを迎えて開幕戦を戦う予定となっている。

 

(月刊バスケットボール)



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