月刊バスケットボール1月号

Bリーグ

2022.10.16

横浜エクセレンスの今シーズン初ホームゲーム、満員御礼クラブ史上最多2,155人のブースターの前で40点差快勝


公式発表2,155人。横浜エクセレンスのホーム開幕戦にはクラブ記録を更新する大観衆が集まった

 

 B3リーグの2022-23シーズンはいくつもの会場でこれまでの感覚を大きく超える入場者数を記録しているが、10月15日に横浜武道館で行われた横浜エクセレンス(以下横浜EX)と金沢武士団の一戦も、2,155人の観衆を集める盛況となった。これは横浜EXのクラブ記録を更新する人数。「グリーンプロジェクト」と銘打って、ブースターにチームカラーと同じ緑色のアイテムを身につけて来場してくれるようにと呼びかけた結果、思い思いのグリーンを身につけた人々がスタンドを埋めた。

 

 ホームタウンの熱烈な歓迎は強力な発奮材料となった。横浜EXは20得点と10リバウンドのダブルダブルを記録したライアン・ステファンや、3Pショット5本中3本を決めて15得点を奪った増子 匠らの活躍で、89-49と40点差をつけて快勝を収めた。開幕初戦でベルテックス静岡に黒星を喫した後、これで4連勝。19勝29敗の成績で11位と低迷した昨シーズンの状況から一転、B3のトップグループに食らいつく好スタートだ。

 


後半、右ウイングから3Pショットを狙う増子 匠。この一撃は見事成功した

 


試合の終盤、豪快なダンクを決めた古河ウェスリー(中央左)と俊野達彦の歓喜のバンプ

 

 金沢は序盤、雰囲気に呑まれやや緊張した感があった横浜EXに対し先行していた。しかし、第2Qに横浜EXがディフェンスのギアを一段高めると、流れはがらりと変わり以降は横浜EXのペース。終盤は横浜EXのプレッシャーディフェンスがたびたび金沢の得点機を阻み、トランジションでライアン・ステファンやジョーダン・フェイゾンがイージーレイアップを決め一方的な展開となった。第4Q残り1分54秒に、スピードに乗った速攻で田口 暖からのノールックパスを受けた古河ウェスリーが豪快なボースハンド・ダンクを叩き込んだプレーは、横浜EXの若さや力強さが凝縮されたこの試合の象徴的なプレーでもあった。

 


速攻でレイアップを成功させるライアン・ステファン

 


ゴールを揺らした古河ウェスリーのダンクがこちら。田口 暖のトリッキーなパスからドカンと叩き込んだ

 


古河のダンクの写真で顔が見えないのでもう一枚。フィジカルなプレーで頑張っていた


この日の会場には、満員のファンが楽しめる様々な趣向も用意された。コートの傍らには子どもたちがシュートを楽しめるミニゴールが設置され、試合前から歓声があふれた。チームカラーのグリーンをフィーチャーしたクラブオリジナルグッズショップも大盛況だった。また、盲導犬と触れ合うことができる補助犬サポート有志の会のブースも多くの人の注目を集めていた。

 


熱戦にも終始落ち着いた様子だった盲導犬たち


観客を集める工夫は場内の趣向だけではない。今シーズンはスマイルパスというサービスを通じて、横浜市に在住・在学中の小中学生・未就学児が神奈川県内で行われる横浜EXのホームゲームをすべて無料観戦できるようになっている。この日もスタンドには多くの子どもたちが詰めかけていた。こうした取り組みで、横浜市内のバスケットボールは確実により幅広く盛り上がっていくだろう。

 

 この日はB1の横浜ビー・コルセアーズも横浜国際プールに4,015人の観衆を集めて試合(名古屋ダイヤモンドドルフィンズに84-91で敗北)を行っており、横浜市内の両会場で6,000人越えの観客がバスケットボールを楽しんだことになる。両会場とも16日にも同一対戦カードの試合が組まれているが、この盛り上がりがさらに膨らむことを期待しよう。

 


ティップオフの瞬間。横浜EXのジョーダン・フェイゾンがボールをコントロールした

 

☆試合後コメント
石田剛規GM兼HC

 オフェンスの手応えはまだ60%くらいで、選手たちの良さを引き出しきれていません。それでも80点以上獲れているのは収穫と思いますし、90点台後半のオフェンススタイルを作っていくことが可能だなと感じています。
また、それだけでは勝てないと思いますし、コーチとしての自分自身の持ち味でもあるディフェンスを締めていくことで安定した戦いができるようにしたいと思います。
開幕節で、コアが変わらずコーチのやりたいバスケットが浸透したベルテックス静岡との2試合目に勝てたことで自信になりましたし、その後も勝ち続けているので、このまま自信を維持して戦っていきたいです。


#33 俊野達彦キャプテン


この素晴らしい会場でこれだけの人が集まって、移籍してきて最初のホームゲームで楽しみにしていたんですが、ここでプレーできるのが幸せだと感じました。この声援にふさわしいチームに、もっともっと成長していきたいと思いました。
お客さんを近くに感じられて、序盤に重い入り方になってしまったんですが、途中からみんなのエンジンがかかってきたのもやはりお客さんたちの声や空気感のおかげだと思います。プレーの後押しになってくれて、力強く感じました!
選手にもよるとは思いますけど、やっぱり緊張も…。この試合にかける思いもありましたし、ホームは勝ってスタートしたかったしお客さんたちに喜んでほしかったですしね。でも徐々に硬さも取れてよいバスケットができるようになりました。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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