月刊バスケットボール5月号

【胎内カップ2022レポート】初戦は開志国際が福岡第一に逆転勝利!

 10月9、10日の2日間、新潟県のぷれすぽ胎内(胎内市総合体育館)を舞台に交歓大会「第2回胎内カップバスケットボールフェスティバル」が開催されている。

 

 2019年に第1回が開催されて以来、過去2年間はコロナ禍で大々的な開催を自粛してきた胎内カップ。3年ぶりの開催となった第2回の今年は、インターハイ優勝の福岡第一、準優勝の開志国際、インターハイ不出場ながら虎視眈々と高みを目指す東山、水野慎也コーチ(元福島南)率いる福島商という4チームが集い、2日間で計7試合(総当たり戦、福岡第一vs.開志国際は2ゲーム)を戦う。

 

 初日の9日は開志国際vs.福島商、東山vs.福岡第一、福島商vs.東山、福岡第一vs.開志国際という4試合が開催された。ダブルヘッダーの過酷なスケジュールながら、選手たちは思い切りの良い全力プレーを披露。中でもインターハイ決勝の再戦となった福岡第一vs.開志国際の試合は、予想に違わず大熱戦となった。

 

 

 開始すぐさまリードしたのは、#8轟琉維のワンマン速攻や#52小田健太の3Pシュートで満遍なく得点を重ねた福岡第一。対する開志国際も、#5武藤俊太朗がオフェンスリバウンドをタップでねじ込んで流れを変え、#10澤田竜馬の3Pシュートや#13平良宗龍の速攻で追い付く。22-21と福岡第一の1点リードで入った2Qには、開志国際が「速い展開に持っていくことが自分の仕事。福岡第一は今までにないくらいのプレッシャーの強さでしたが、落ち着いてプレーすることを心掛けました」と言うルーキー#11清水脩真の活躍で勢い付いたものの、福岡第一も#72中村千颯や#86川端悠稀らセカンドメンバーが激しいディフェンスを仕掛けて譲らない。結局34-33と、福岡第一が僅かに1点リードして前半を折り返した。

 

 3Q、先手を打ったのは福岡第一。#29城戸賢心、#37平岡倖汰、#52小田健太と3本の3Pシュートに成功し、#8轟のフリースローなどで後半開始5分、リードを11点差まで広げる。それでもこの流れを変えたのは、またしても開志国際#5武藤のオフェンスリバウンド。さらに#7介川アンソニー翔のバスケットカウントなどが続き、試合は一進一退が続いた。60-52と、福岡第一が8点リードして4Qへ。

 

 

 勝負の4Q、いきなり開志国際#5武藤のバスケットカウントでスタート。その後も開志国際はリバウンドで主導権を握り、さらには#5武藤が24秒ギリギリで3Pシュートを決めるなど、ベンチも大いに沸く中で逆転に成功する。対する福岡第一はスタートのメンバーに戻し、#29城戸、#8轟が冷静にジャンプシュートを決めて1点差に。それでもラスト4分間は得点が停滞し、その間に高さを生かして着実に得点を重ねた開志国際が一歩リード。そのまま83-72で開志国際が勝利した。

 

 エースの#7介川がケガで本調子ではない中、チームに流れを呼び込む活躍を見せた#5武藤。コートに1年生が3人入るような時間帯もある中で、3年生らしく縁の下の力持ちとして仲間を支えた。武藤は「福岡第一さんとの試合では、リバウンドと合わせのプレーが自分の仕事。1試合通して“やり続ける”ということを意識していて、相手にリードされる苦しい場面でも焦りなく戦うことができたので良かったです」と大きな自信を得た様子だ。

 

 一方、インターハイ決勝のリベンジを許す形となった福岡第一。今シーズン、高校生相手には久しぶりの敗戦を味わった。とはいえ、オフェンスのバリエーションも増えつつあり、夏よりもさらなる進化を図っている最中。思い返せば、2019年の第1回胎内カップでも河村勇輝(横浜BC)らを擁した福岡第一は東山相手にシーズン初の黒星を喫し、それがその後のウインターカップ優勝につながった。今年も今回の敗戦が、さらなるステップアップのための苦い良薬となるはずだ。福岡第一と開志国際は大会2日目の10月10日にも対戦する。胎内カップを締めくくるラストゲーム、熱戦を期待したい。

 

 

 なお、この日の第2試合、福岡第一相手に3Qで一時リードを奪い、4Q終盤まで大接戦を繰り広げたのが東山だ。最終的には82-91で敗れたものの、インターハイに出られなかった東山にとって、得られた手応えは大きい。特にこの試合、31得点の爆発を見せたルーキーの#5瀬川琉久は「相手はインターハイ優勝チームだったので、最後まで諦めずに立ち向かうことを心掛けていました。1Qからなかなか点が取れなかったのですが、自分の3Pシュートが入り始めて調子が出てきました」と振り返っていた。東山が今大会2日目に対戦する開志国際には、瀬川にとってミニバス時代から全国トップレベルでやり合ってきたライバルの#13平良がいる。こちらも見逃せない一戦となりそうだ。

 

○取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

 

※大会の模様は、10月25日発売の月刊バスケットボール12月号で報道予定! 胎内カップ1日目のフォトギャラリーは「続きを読む」へ

 



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