月刊バスケットボール6月号

NBA

2022.09.27

渡邊雄太がネッツのメディアデーで会見に登場

 日本時間9月27日未明に始まったブルックリン・ネッツのメディアデーで、渡邊雄太が会見に応じた。渡邊はこれまでと同じ背番号18のユニフォームを着て登場。記者からの質問に答えて2022-23シーズンへの抱負などを語った。会見はチームメイトのケスラー・エドワーズと同席で行われていたが、一緒に座っている間の質問の多くが、この日10社以上集まったという日本のメディアからの日本語での質問だった。

 


渡邊がネッツでプレーする機会を得たのは、ルーキーシーズン開幕前のサマーリーグ(2018年)以来のこと。4年ぶりのチームへの復帰について、渡邊は冒頭で「戻ってこられてうれしいです。ネッツがまたここでプレーする機会をくれたことをありがたく思っています(I’m happy to be back. I’m really grateful you know Nets gave me another opportunity to play for them)」と話した。フルシーズンの契約が保証されていない状況からのチャレンジにも、気持ちは前向きだ。「ラプターズでも2年間、こういう状況から契約を勝ち取ってやってきました。今年も簡単にいくとは思っていないですけど、自分のやることをしっかりやっていけば、良い結果が出ると思っています」というコメントから、トロントでの取り組みで得た自信が感じられる。


ケビン・デュラント、カイリー・アービング、ベン・シモンズとスーパースターがそろうネッツで機会を得られたことについては、「これだけのスター選手や、いろんな場面で活躍できる選手がそろっている中で自分がどういうふうにプレーしていくんだろう、どういう役割でやっていかなければいけないのかと考えると、今シーズンもすごくワクワクできる」と話した。ほかのチームからも同じような形態でオファーはいくつかあったそうだ。しかしエージェントを通して話していく中で、「一番熱量を感じて自分を必要だと見てくれたのがブルックリンだったのかなと思った」とのこと。それがネッツ入りの決め手となった。


渡邊がネッツでどのような役割を期待されているのかは、まだ明確には見えていないが、渡邊自身は以下のように捉えていた。

 


「僕の役割はラプターズにいたときと変わらず、エナジー全開でプレーしてディフェンスからチームにエナジーをもたらすこと。得点できる選手やいろんなことができる選手がこのチームにはたくさんいるので、自分の役割にいかに徹底できるかがこのチームでは特に大事になってくると思っています。一日でも早く、自分がやらなければならないことをチームの中で見出して強みとしてチームから必要としてもらえる選手になっていけたらなと思います」


スーパースターがそろったチームで、泥臭い役割を積極的にこなす必要性を理解し、その意欲を持っている。運動量と高さを生かしてチームにエナジーをもたらすことと、昨シーズン低下させてしまった3P成功率を再び40%台に乗せていくことがカギ…。そうしたことも渡邊は話していた。特に、スタープレーヤーが相手ディフェンスをひきつける状況で、オープンショットを確実に決めることは欠かせない要素となりそうだ。


ネッツ関連情報を発信しているポッドキャストなどでは、例えば10-12分間コートに立ち、バックコートにやや小柄なプレーヤーが多いネッツのラインナップが小柄になりすぎないようにインサイドプレゼンスを提供できること、いつでも全力プレーで勢いをもたらせること、ジョー・ハリスのようなシューターになれるかは別としても40%前後の3P成功率でウイングから脅威をもたらせること、突出したオールスターレベルの項目がない代わりにあらゆる項目で十分なレベルの貢献を期待できることなどが渡邊に関して語られている。


まずはキャンプで信用を勝ち取り、プレシーズンゲームでそのような機会を得られるかどうか。さらなる飛躍を期する2022-23シーズンが間もなく始まる。


文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



PICK UP