月刊バスケットボール6月号

MORE

2022.09.15

ユーロリーグのプレジデントにデヤン・ボディロガ氏が就任、新時代へ

 ユーロリーグは9月14日に、リーグ創設から22年間トップを努めてきたジョルディ・バートミュー(Jordi Bertomeu)に代わり、ヨーロッパのバスケットボール界の歴史の中で最も輝かしいキャリアを築いたプレーヤーの一人として知られるデヤン・ボディロガ(Dejan Bodiroga)がプレジデントに就任することを発表した。リーグはアクティングCEOという立場で、かつてポートランド・トレイルブレイザーズのプレジデントを務めたマーシャル・グリックマン(Marshall Glickman)を迎えており、ボディロガとグリックマンの二人によるリーダーシップで、さらなる発展を目指す。

 


デヤン・ボディロガ(写真/©euroleague)


旧ユーゴスラビア時代のセルビアに生まれたボディロガは今年49歳。現役時代には身長201cmのフォワードとして活躍し、ユーロリーグを3度制覇した実績を持つほか、個人的な勲章も多数手にしている。NBAでプレーした実績をこそないものの、1995年のドラフトではサクラメント・キングスから全体51位(2巡目22位)で指名を受けた。


セルビア代表としても歴史的な活躍をしており、オリンピックでは1996年のアトランタ大会で銀メダル、ワールドカップ(当時の呼称は世界選手権)では1998年のアテネ大会、2002年のインディアナポリス大会での同国の連覇達成に大きく貢献した。このあたりの功績から、日本でもプレーヤーとしての名声を広く獲得している。

 


引退後の2011年から2015年まではセルビアバスケットボール連盟の副会長、FIBAヨーロッパの競技委員会プレジデント(President of the Competition Commission)を歴任。今回ユーロリーグのプレジデント就任にあたっては、「我々はユーロリーグの新時代に入ってきています(We are entering a new era for EuroLeague.)」と話し、プレーヤーや運営サイドの幹部としての経験や国際的な人脈を生かしてバスケットボールのグローバルな広がりの中でユーロリーグの価値を高めていくことに意欲を見せている。「我々はこの20年間、ヨーロッパ最高峰のバスケットボールが世界のスポーツの中で土台を固める過程を見守ってきました。ジョルディ・バートミューさんとそのチームに感謝しており、展望とご尽力を引き継いでユーロリーグとユーロカップをさらに力強い存在として構築し、広げていけたらと思っております(The past 20 years have seen Europe’s premier basketball competition establish itself as a powerhouse in global sports. I’d like to thank Jordi Bertomeu and his team for their vision and hard work and look forward to continuing to build and expand the impact of EuroLeague and EuroCup.)」


事業面でボディロガを支えるグリックマンは、これまでもユーロリーグにアドバイザーとして関わってきた人材だけに、「ユーロリーグは家族同然(Euroleague Basketball is like family to me.)」と親近感も非常に強い。ビジネス面で、NBAとその周辺事業体の数々とも強固なネットワークを持っており、ボディロガとリーグにとって力強い存在になりそうだ。

 


マーシャル・グリックマン(写真/©euroleague)


(月刊バスケットボール)



PICK UP