月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2022.08.06

安齋竜三チームアドバイザー就任の越谷アルファーズ、2022-23シーズンで悲願のB1昇格に向け加速中

 8月1日に記者会見を開き、昨シーズンB1を制覇した宇都宮ブレックスをヘッドコーチとして率いた安齋竜三のチームアドバイザー就任を発表した越谷アルファーズ。大塚商会アルファーズとしての実業団チーム時代も含めた長い歴史の中で、特に経営母体がフープインザフッド株式会社に変わった2018-19シーズン以降の足取りは非常に力強く、かつここにきてその勢いを増している。

 

 大塚商会越谷アルファ―ズの名称でB3に参戦していた2018-19シーズンは、B2・B3入替戦2018-19で八王子ビートレインズを破ってB2昇格を果たした。翌2019-20シーズンは越谷アルファ―ズとして初めてB2で15勝32敗(中地区5位)という成績だったが、2012年から3シーズンを大塚商会アルファーズの一員として過ごした長谷川智也が、B1での経験(シーホース三河、サンロッカーズ渋谷、大阪エヴェッサで計4シーズン)を経てチームに復帰した2020-21シーズンは35勝22敗(東地区3位)と成績が急上昇。初めてプレーオフ進出をかなえただけでなく、3位決定戦で仙台89ERSを倒して3位の位置にたどり着く。

 


復帰後キャプテンとしてチームをけん引している長谷川智也(写真/©B.LEAGUE)


2021年には、桜木JRテクニカルアドバイザーの就任(4月)、現在総合練習施設ALPHAS.HOUSEとして使用されている専用練習コート完成(9月)と環境面のテコ入れがさらに充実。迎えた2021-22シーズンも25勝23敗(東地区4位)と勝ち越して、2シーズン連続プレーオフ進出を果たした。優勝したファイティングイーグルス名古屋にクォーターファイナルで敗れはしたものの、順調な土台作りを感じさせる結果だった。

 


2021-22シーズンのBリーグ最優秀ヘッドコーチ賞に輝いた安斎アドバイザーの、この時点での加入によるインパクトは計り知れない。

 

 2004-05シーズンに大塚商会で日本リーグ新人王に輝いた経歴もある安齋アドバイザーには、上原和人GM、長谷川キャプテンと同じく古巣への恩返しのような側面もある。ただ、本人は古巣に戻るという感覚以上に新しいチャレンジに向かう思いを語り、「僕がブレックスで培ってきたことを、また新しいチームで生かしていければいいなと思っていますし、チームのB1昇格という目標に少しでも力になれるように頑張っていきたいと思います」とコメントしていた。

 


©︎KOSHIGAYA ALPHAS


プレーヤーの補強でも、ベテランのスモールフォワード菊地祥平(昨シーズンはアルバルク東京)、パワーフォワードのジャスティン・ハーパー(同、京都ハンナリーズ)など楽しみな新戦力が加わった。今年創設された3x3カテゴリーのALPHAS.EXEが、早速参戦している3x3.EXE PREMIER 2022で8月3日現在21勝1敗の成績でKANTO CONFERENCEの首位といったエピソードまでも含め、アルファーズがクラブとしての飛躍とB1昇格の念願達成に並々ならぬ意欲を持ち、それを実行力で証明し続けていることが感じられる。


8月5日には、9月23日(金)に越谷市立総合体育館にB1の横浜ビー・コルセアーズとのプレシーズンゲーム開催(株式会社MSGみんなの整骨院グループpresents 越谷アルファーズプレシーズンゲーム)も発表された。控えめに言っても、2022-23シーズンに向けBリーグで最も楽しみなクラブの一つ。越谷アルファーズの勢いから目が離せなくなってきた。

 

文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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