月刊バスケットボール8月号

【四国インターハイ2022】女子1回戦で実現した175cm超のビッグガード対決!佐々木凜vs榎本麻那

写真左が榎本麻那(岐阜女)、右が佐々木凜(湯沢翔北)

 

「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ2022)」の大会初日となった7月27日。女子1回戦で岐阜女(岐阜県)と対戦した湯沢翔北(秋田県)だったが、最大で20点近くあったリードを後半に逆転され悔しい敗戦を喫してしまった。

 

 試合は序盤から湯沢翔北が多彩な攻めを見せ、守っても岐阜女のオフェンスをシャットアウト。前半を終えて44-31のリードを取った。しかし、3Qに入ると岐阜女の2-3ゾーンにハマってしまい、得点が停滞。最後まで攻略の糸口を見つけられず、65-81で試合終了のブザーが鳴った。

 

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「前半はしっかり存在感を示すことができたんですけど、後半に相手がゾーンになったところから存在感を示せなくて負けてしまったので、ちょっと後悔しています」

 

 そう語ったのは湯沢翔北のエース#7佐々木凜だ。177cmと全部員の中で最長身の彼女だが、登録ポジションはポイントガード。前半はオンボールとオフボールを問わず自由自在にコートをかけ回り、ドライブにジャンプシュート、3Pシュートと得点を重ね、アシストでも味方のチャンスを演出。極め付けはエンドラインからのインバウンドを相手留学生の背中に当てて自らゴール下をねじ込み、バスケットカウントを奪ったシーン。このトリックプレーには彼女の独創性が顕著に表現されており、会場も大いに盛り上がった。

 

 そんな佐々木だが、昨年までは主にPFのポジションを担っており、司令塔のコンバートしたのは新チームが始まってから。樋渡真コーチが「このチームの中では彼女が(PGに)適任だと思いました。ドリブルができるし、3Pも打ててもパスもさばけます。サイズもあるので、その力を生かせると感じました」とコンバートの理由を明かすように、オールラウンドなプレースタイルは彼女の最大の持ち味だ。

 

 

 この試合では同じくインサイドのポジションからポイントガードにコンバートした岐阜女#7榎本麻那(176cm)との“ビッグガード対決”も実現。

 

 強烈なドライブを武器とした突破力とミッドレンジジャンパーが武器のオンボールで輝く榎本と、より柔軟にプレースタイルを変化できる佐々木。両者のプレースタイルは全く異なるものだが、直接マッチアップする機会もあり、現時点での実力以上に将来性という面でも興味深いマッチアップとなった。

 

 榎本との対戦について佐々木は「榎本さんはジャンプシュートやアシストなど、色々なプレーをしてきて威圧感があったというか、そういうところで少し怖がってしまいました。自分は時間や味方のどこが攻められているのかなどをあまり考えられていなかったのですが、榎本さんはそういうところをしっかりコントロールしていたので、見習いたい部分です」と学ぶことが多かったようだ。

 

お互い司令塔になってからの日は浅く、冬までにはより洗練されたゲームコントロールでチームを引っ張っているに違いない。この試合で榎本の声を聞くことはできなかったが、彼女も佐々木とのマッチアップで得たものや感じたことは少なからずあったはず。2人の更なる成長と将来の活躍に期待が膨らむマッチアップだった。

 

 

取材・文・写真/堀内涼(月刊バスケットボール)

 

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