月刊バスケットボール5月号

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2022.07.27

安定感を増す町田瑠唯(ミスティックス)を指揮官も高評価 - アシスト/ターンオーバー比率2.2は「Very good!!」

 日本時間7月27日未明(北米時間26日午後)に、町田瑠唯が所属するWNBAのワシントン・ミスティックスが恒例の練習後会見を行い、マイシャ・ハインズ-アレン、シャキーラ・オースティン、マイク・ティボーGM兼HCに続いて町田も登壇した。

 

 

 町田は開幕から1試合も欠くことなく連続28試合出場を続けている。ここまでのシーズンアベレージは平均1.8得点、1.2リバウンド、2.4アシストと著しく高い数字ではないが、プレーメイカーとしての安定感を示す一つの指標であるアシストとターンオーバーの比率(A/TO)2.2は、20試合以上プレーしたプレーヤーの中ではリーグ全体の17位の好数字(同日時点、全プレーヤー対象でも24位)。特に直近の9試合でのA/TOは3.8(アシスト15本に対してターンオーバー4本)で、これはリーグでもトップレベルの数字だ。


ティボーGM兼HCに最近の町田の貢献ぶりに対する評価を聞くと、まずはこのA/TOに対して「Very good!!」と答え、以下のように話してくれた。

 

「ウチがチームとしてやりたいことを理解できていて、大きく成長したと思いますよ。オフェンスをかみ合わせてテンポを上げてね。うちは速いペースで展開していますから。ここ数試合では、彼女がコートにいる間に得失点差がプラスの試合が何試合もありました。最も大きな話題だったのはアウトサイドからのショットを安定させるという点で、彼女もそれを承知の上で頑張ってきましたが、そこは別としても、かなり高いレベルでプレーしてきています。ディフェンスでは相手に嫌がられる存在だし、へばりつくようなディフェンスをこれからも続けてほしいですね」

”I mean I think she’s grown a lot as far as, you know, understanding what we are doing, you know making our offense click, as far as pushing the tempo. We are playing at a fast pace. I think you know in a…, quite a few of our last five to six games it’s been a plus with her on the floor. I think the biggest thing is..., that everybody has talked about, you know that she knows it, is that she’s striving to become a more consistent outside shooter. I mean you know other than that right now, I would say she’s been playing at a pretty high level. Her defense is bothering people. And you know we want her to be the pest on defense and she is.”

 


いつもと同じくにこやかな笑顔を見せながらメディアに対応してくれた町田自身は、「良くなってきているという感じよりは、チャレンジする“50-50パス(通るか通らないか瞬時の判断が難しいパス)”をすべきかどうかの判断とか、狙いすぎちゃいけないタイミングがわかるようになってきて、気をつけるようにしています」と謙虚な中にも手ごたえを感じられている様子だった。「ターンオーバーがやっぱり自分でもすごく気になっていたので、試合に出るタイミングにもよるんですけど、大事なタイミングやあまりリズムが良くないときに50-50パスを出さないようにというのは心がけています。ちょっと慎重になりすぎている部分もあるとは思うんですけど、それが今はチームにとってのリズムではあると思うので、意識していやっています」

 

 現在17勝11敗(勝率.607)でリーグ5位のミスティックスは、レギュラーシーズンの残り8試合を勝率5割で乗り切ることができれば、上位8チームが出場できるプレーオフに進出できる状況(12勝16敗、勝率.429のアトランタ・ドリームとフェニックス・マーキュリーの戦況いかんでは、残り試合を5割以下の勝率でも進出の可能性がある)で、チームとしても緊迫感を高めている。町田も「プレーオフに向けて上がってきている感じがすごくするので、自分も意識の高さを同じレベルでしっかりできるようにやっていきたいです」と意気込む。「自分としてはレギュラーシーズンとそこまで変わらないと思うんですけど、これからが本当に大事な試合になってくると思うので、自分のやるべきこと、できることを(出場時間が)少なくてもしっかりコートで表現できるようにやっていきたいと思います」

 

 現時点でティボーGM兼HCは町田に特別なことは望んでいない。「これまで取り組んできていることを継続してほしいですね(I want her to just keep doing the stuffs that she’s been working on)」と話し、町田の安定したプレーぶりに信頼感を高めている様子だった。

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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