男子日本代表、FIBAアジアカップ2022初戦カザフスタンに100点ゲームで勝利 – 渡邊雄太がゲームハイの21得点
グループラウンド初戦でカザフスタンを32点差で下し好スタートを切った男子日本代表(写真/©FIBA.AsiaCup2022)
7月12日に開幕したFIBAアジアカップ2022の大会第2日に男子日本代表がカザフスタンとの初戦に臨んだ。試合は前半の接戦から日本が後半大きく抜け出して100-68の勝利を手にした。
メンバー12人中唯一のNBAプレーヤー渡邊雄太はダンクあり、3Pショットあり、豪快なブロックショットありと持ち味をいかんなく発揮。富樫勇樹(千葉ジェッツ)と河村勇揮(横浜ビー・コルセアーズ)の“ダブル・ユウキ”が雷神のようなスピードでたびたび相手のディフェンスを切り裂き、渡邊と富永啓生(ネブラスカ大学)、西田優大(シーホース三河)の“トリプルレフティ・ラインナップ”も奏功する好スタートとなった。特に、後半のディフェンスとリバウンドの修正が効果を挙げたことが大きく、日本はカザフスタンを後半2クォーターで20得点に封じたことが、オフェンスでの好転にもつながった。
3連勝でグループCの1位通過を狙う日本は、15日(金)に今大会第2戦のシリアとの試合に臨み、さらに17日(日)にイランと対戦。決勝トーナメント進出と51年ぶりのアジアカップ制覇を目指す。
相手のダンクをクリーンブロックする渡邊雄太(写真/©FIBA.AsiaCup2022)
☆FIBAアジアカップ2022大会グループラウンド初日、日本試合結果
日本 100(23 22 29 26)
カザフスタン 68(22 26 11 09)
日本トップパフォーマー
渡邊雄太 21得点、フィールドゴール成功率53.3%、3P成功率50.0%(2本中1本成功)、8リバウンド、4アシスト、1スティール、3ブロック
ルーク・エヴァンス(ファイティングイーグルス名古屋) 17得点、フィールドゴール成功率85.7%(3Pショット1本中1本成功を含む)、9リバウンド、1アシスト、2スティール
西田優大(シーホース三河) 16得点、フィールドゴール成功率54.6%、3P成功率80.0%(5本中4本成功)、3リバウンド、1アシスト、3スティール
富永啓生(ネブラスカ大学) 13得点、4リバウンド、3スティール
河村勇揮(横浜ビー・コルセアーズ) 8得点、フィールドゴール成功率100%(3本すべて成功)、3リバウンド、8アシスト、2スティール
富永啓生は得意の3Pショットを3本沈め13得点(写真/©FIBA.AsiaCup2022)
☆試合後会見でのトム・ホーバスHCのコメント
試合後会見でのトム・ホーバスHC(画像をクリックすると会見映像が見られます。以下の内容は17分30秒過ぎから始まります ©FIBA.AsiaCup2022)
――渡邊雄太、富永啓生、西田優大の左利きトリオ同時起用の印象
彼らが出ている間に我々は良い流れに乗った。皆良くやってくれましたね。ユウタは5日前に合流したばかりだし、ユウキ(富樫勇樹)もそうですが、どちらも賢いプレーヤーで学ぶのが非常に早く、ウチのシステムを理解してくれています。
I thought they were in at a time when we made a really good run. So, they all played well. Yuta just joined us five days ago, so did Yuki (Togashi). They just joined us five days ago. So, they are starting…, they are really quick and very smart players. So, they picked up our system very fast.
ユウタはディフェンスで自分らしい役割を見つけて、ウチではほかになかなかできる者がいないリムを守る役割を果たしてくれました。ものすごいブロックショットを何度か見せてくれましたよね。オフェンスでは経験を生かして得点する術を見出していました。シューティングに関しては本来の力ではなかったかもしれないですが、それでも点数を獲ってきてくれる。みごとな活躍でした。
I think Yuta really found a good role for himself on the defensive end protecting the rim which we don’t have a lot of players that can do that. He made some incredible blocks. Offensively, he found his way as an experienced player. Well, I don’t think his shot was on. But he knows how to score. So, that was fantastic.
富永は誰よりも相手のディフェンスを引っ張り出せるプレーヤーです。西田も良かった。彼はこの大会の前に3Pショットの調子を落としていたと思ったのですが、今日はウチのチームでも入っていた方の一人でしたから。良くやってくれたと思いますし、今後に向けて自信にもなったことでしょう。
Tominaga is just…, he stretches the floor like no one else. And Nishida played great. I thought he was struggling a little bit coming into this tournament with his three. But he is one of the better 3P shooters today. So, I thought that was fantastic for him. And I think that will help his confidence going forward.
――前半のリバウンドとディフェンスについて
ハーフタイムにプレーヤーたちに話したのは、オフェンス・リバウンドは頑張れているということでした。相手がゾーンを敷いてきた中で、オフェンス・リバウンドがよく獲れていると。でもセカンドチャンスでの得点が伸びていませんでした。リバウンドで勝っていたにもかかわらず、相手のオフェンス・リバウンドの方が流れに大きく作用していました。オフェンス・リバウンドから入れ返され、またオフェンス・リバウンドから入れ返されるという流れだったので。
I talked to the players at the halftime we were doing a good job of offensive rebounding. Because they were in the zone and we were able to get some good offensive rebounds. We didn’t get a lot of second chance points. I felt like we outrebounded them in the first half. But their offensive rebounds were more impactful because they would get an offensive rebound and put it back in…, and they were getting offensive e rebounds and put it back in.
後半はそこを引き締める必要がありました。練習でしっかりやってきたのに、オフェンス・リバウンドでやるべきことがなされていなかったので、後半はそこをグンと高めたのとディフェンスとリバウンドでの力強さもずっと良かったので、うまくいきました。
So, we really needed to just tighten that up a little bit. We take pride in practicing our offensive rebounds and there’s some techniques that we use and we weren’t doing it. So, I think we just picked everything up a lot better in the second half and just the energy level was better on defensively and on the rebounding and that goes along the way.
取材・文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)