月刊バスケットボール5月号

FIBAアジアカップ2022男子日本代表に渡邊雄太、富樫勇樹、富永啓生ら12人

 公益財団法人日本バスケットボール協会(JBA)が、FIBAアジアカップ2022に臨む男子日本代表の最終エントリー12人の顔ぶれを発表した。今回のメンバーは、7月3日まで行われていたFIBAワールドカップ2023アジア地区予選のWindow3で活躍したプレーヤー10人に、経験豊富なプレーメイカーの富樫勇樹(千葉ジェッツ)とNBAで4年間活躍している渡邊雄太を加えた布陣となっている。


☆FIBAアジアカップ2022男子日本代表
■スタッフ
チームリーダー 清水良規(JBA)
ヘッドコーチ トム・ホーバス(JBA)
アソシエイトヘッドコーチ コーリー・ゲインズ(JBA)
アシスタントコーチ 勝久ジェフリー (川崎ブレイブサンダース)
スポーツパフォーマンスコーチ 緒方博紀(JBA)
アスレチックトレーナー 一柳武男(JBA)
サポートアスレチックトレーナー 古澤美香(JBA)
チームドクター 山口 玲(稲波脊椎・関節病院)
テクニカルスタッフ冨山晋司(JBA)
チームマネージャー 西村拓也(JBA)


■プレーヤー
※名前、ポジション、身長(cm)/体重(kg)、所属(出身校)
#2 富樫勇樹 PG 167/65(28) 千葉ジェッツ(モントロス・クリスチャン高校)
#3 ルーク・エヴァンス* C 203/100(31) ファイティングイーグルス名古屋(カリフォルニア・バプティスト大学)
#12 渡邊雄太 SF 206/97(27) -(ジョージ・ワシントン大学)
#16 佐藤卓磨* SF 197/93(27) 千葉ジェッツ(東海大学)
#17 須田侑太郎* SG 190/87(30) 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(東海大学)
#19 西田優大* SG 190/90(23) シーホース三河(東海大学)
#33 河村勇輝* PG 172/68(21) 横浜ビー・コルセアーズ(東海大学)
#39 富永啓生* SG 188 /80(21) ネブラスカ大学(レンジャー大学)
#45 テーブス海* PG 188/85(23) 滋賀レイクスターズ(ノースカロライナ大学ウィルミントン校)
#71 井上宗一郎* PF 201/105(23) サンロッカーズ渋谷(筑波大学)
#88 張本天傑* PF 198/100(30) 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(青山学院大学)
#91 吉井裕鷹* SF 196/94(24) アルバルク東京(大阪学院大学)


*=FIBAワールドカップ2023アジア地区予選Window3でプレーしたプレーヤー
平均身長/体重: 191.3cm/88.7kg 平均年齢: 25.7歳

 


今回の12人にはFIBAワールドカップ2023アジア地区予選のエフィシエンシー上位9人中8人、同大会でのトップスコアラー4人(富永[17.5]、エヴァンス[12.0]、富樫[11.3]、西田[10.8])、トップリバウンダー3人(エヴァンス[7.8]、テーブス[6.5]、吉井[4.5])、トップアシストメーカー3人(河村[8.0]、富樫[4.7]、テーブス[3.5])が含まれており、直近の機会に実績を残した“最強布陣”をBリーグのアシストリーダー富樫とNBAプレーヤー渡邊で補強した形と言える。渡邊の代表合流は東京2020オリンピック以来初めて。同オリンピック経験者3人(富樫、渡邊、張本)と富永や河村、テーブスら若手の融合を促す機会としても面白い人選だ。

 


渡邊雄太は東京2020オリンピック以来初めて代表のユニフォームを着ることとなる(写真/©FIBA.Tokyo2020)


最長身は渡邊で206cm。平均身長191.3cmは一見小さいが、フロントラインの6人だけだと平均身長は200.2cmあり機動力とサイズが兼ね備わった人選となっている。スキあらば3Pショットもありうるエヴァンスを含め、6人ともロングレンジでも脅威となれるシュート力もある。ディフェンスのローテーションにおけるコミュニケーションさえうまくいけば、これまでにない威力を発揮しそうな布陣だ。


逆に小柄なバックコートでは、最も小柄な富樫や河村に、スモールボールをさらに発展させた“マイクロボール”とも呼ぶべきアグレッシブでスピーディーなトム・ホーバスHCのバスケットボールを、攻守両面において高いレベルで遂行させる期待感がある。同時にサイズのあるプレーメイカーとして、テーブスの存在も異なるリズムをもたらすアクセントとなりそうだ。このミックスの中で渡邊や富永のシュート力や突破力が生かされれば、オフェンス面でも爆発的な力が発揮できるかもしれない。

 


どこからでも得点を狙える富永啓生の活躍にも期待がかかる(写真/©FIBA.WC2023)


FIBAアジアカップ2022のプールラウンドにおける日本は、イラン、カザフスタン、シリアと同組のグループC。13日のカザフスタンとの試合を皮切りに、上位進出を目指して以下のとおり3試合を戦う。

 

☆FIBAアジアカップ2022プールフェーズの男子日本代表試合予定(日本時間)
7月13日(水)19:30~ 日本 vs カザフスタン
7月15日(金)19:30~ シリア vs 日本
7月17日(日)19:30~ イラン vs 日本


FIBAアジアカップ2022TV放送予定


日本はグループCで1位になれば、20日(水)の準々決勝進出が確定。また、グループ2位もしくは3位の場合には、19日(火)に開催される準々決勝予選を戦い、そこで勝利した場合のみ準々決勝進出がかなう。以降は8チームによるノックアウト方式の決勝トーナメントで王座を決める。日本の王座獲得には、同組のイランをはじめオーストラリアや中国、韓国など難敵がいくつも存在する。どこまでいけるか、各プレーヤーのケガのない活躍とチームの躍進を願うばかりだ。


(月刊バスケットボール)



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