月刊バスケットボール5月号

【東北大会】仙台大明成と柴田学園が頂点に立つ!

 6月24日(金)~26日(日)にかけて「第77回東北高等学校男女バスケットボール選手権大会 兼 第58回NHK杯大会」が、秋田県のCNAアリーナ★あきたにて開催された。

 

 最終日の今日(26日)、男女の決勝戦が行われた。結果は下記のとおり。

 

<男子決勝>

仙台大明成(宮城) 111-86 羽黒(山形)

<女子決勝>

柴田学園(青森) 85-60 湯沢翔北(秋田)

 

 

 男子は、仙台大明成が4大会連続の東北王者となった。決勝は佐藤久夫コーチいわく「(コロナ禍で)全然試合をさせられませんでしたから、選手たちもハラハラドキドキだったのでしょう。硬くなっていました」と、シュートをこぼす場面も見られたが、ウィリアムスショーン莉音や佐藤晴が高さやパワーを生かしてリバウンドから得点を量産。主軸の一人である八重樫ショーン龍がファウルトラブルに見舞われたものの、「負けん気が強い」と佐藤コーチも太鼓判を押す内藤晴樹がエースとしてチームを引っ張り、危なげない戦いで優勝を飾った。約1か月後に迫ったインターハイに向けて「センターのところをもっと補わなければいけないです。1年生の投入もあり得るかもしれません」と佐藤コーチ。

 

 

 一方の羽黒も、準優勝という結果で大きな収穫を得た。今大会はモンゴルからの留学生であるバヤルバートル・エンフアマル(202cm)、バヤルツォグト・ダワーサイハン(184cm)がコンディション不良により欠場。日本人だけのスモールラインナップでの戦いとなり、齋藤仁コーチは「目の前の試合を一戦一戦」と話していたが、終わってみれば高い得点力を発揮して決勝まで勝ち上がった。キャプテンの加藤律輝は決勝後、「ディフェンスが自分たちの課題で、そこはやっぱりまだまだでした」と反省の弁だったが、「自分たちの現状が分かりましたし、ここに留学生の2人が加わってさらにプラスアルファで力を出せればと思うので、インターハイがすごく楽しみです」と手応えも得た様子。昨年度は思うような結果が出せず、「泣きながら試合をしたこともありましたし、バスケットを辞めようとさえ思いました」と加藤。悔しい1年を乗り越えてきた今年は、昨年の分まで大暴れしたいところだ。

 

 

 女子は、柴田学園が悲願の初優勝。昨年のインターハイでベスト8を経験した佐々木杏花や秋谷詩を軸に、終わってみれば全試合で快勝となった。スタメン平均身長171.2cmというサイズがありながらも、相手を置き去りにするようなブレイクが今年のチームの持ち味。さらに大黒柱の佐々木杏花は準決勝、3Pシュートを4/5本で決めるなど、各々が昨年からさらにプレーの幅を拡大中だ。小野尚樹コーチは「去年、せっかく先輩たちがインターハイのベスト8まで連れて行ってくれたので、今年はもう一つ上、ベスト4以上という目標を生徒たちが立てています。僕も生徒と一緒に汗を流して頑張るだけです」と話していた。

 

 

 一方、敗れた湯沢翔北も、昨年のウインターカップ出場を逃し、久しぶりの大舞台での準優勝は価値ある結果。チーム最長身ながら今年度からポイントガードに挑戦している佐々木凛(177cm)を筆頭に、積極的なプレーを見せていた。樋渡真コーチは「去年のウインターカップ予選で負けて、新チームは県大会も勝てるかどうか分からずに心配しながら始まったチーム。それでもここまで来れて、あと一歩のところで優勝という初めての悔しさを味わうことができたことは、今後の糧になると思います。ここからが始まりです」と収穫を持ち帰った様子だ。

 

 

 なお、今大会の結果により、男子は宮城県、女子は青森県にウインターカップの出場枠が1つ増えることとなった。

 

取材・文・写真/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

 

※フォトギャラリーは「続きを読む」へ



PICK UP