月刊バスケットボール5月号

【北信越大会】男子は開志国際、女子は鵬学園が優勝

 令和4年度 北信越高等学校体育大会バスケットボール競技会 兼 第61回 北信越高等学校バスケットボール選手権大会は19日、石川県金沢市のいしかわ総合スポーツセンターを会場に2日目の競技が行われ、男子は開志国際(新潟)、女子は鵬学園(石川)が優勝した。

 

 この日の各対戦の結果は下記のとおり。


<男子準決勝>
開志国際(新潟) 108‐71 北越(新潟)
帝京長岡(新潟) 79‐77 北陸学院(石川)

 

<3位決定戦>
北越 79‐68 北陸学院

 

<決勝>
開志国際 55‐51 帝京長岡

 

 決勝は、インターハイ新潟県予選に続いて開志国際と帝京長岡の顔合わせとなった。開志国際は、「FIBA U16アジア選手権大会」に日本代表として出場している武藤俊太朗(3年)が不在なのに加えて、前日の試合で膝を痛めたエース♯7介川アンソニー翔(2年)が大事を取ってベンチに。
1Qは帝京長岡が♯14コネ・ボウゴウジィ・デット・ハマード(3年)、♯10堀田弘也(3年)、♯6杉沢イスラエル(3年)らの活躍で12‐9とリードする。だが、2Qに入ると開志国際は17‐21の場面から連続得点で逆転に成功。終了間際には#13平良宗龍(1年)の3Pシュートが決まって29‐23とし、後半に向けて勢いを付けた。
帝京長岡も粘り、3Qを終えて38‐42と射程圏内に。お互いにディフェンシブな展開の中、4Qはともに3Pで得点を積み重ねる展開となるが、開志国際が逃げ切り、令和元年以来となる3回目の優勝を飾った。
開志国際の富樫英樹コーチは、ポイントガードを務める♯10澤田竜馬(2年)や♯7介川について「精神的に安定感が出てきた」とこの1年間の成長を認めるとともに、♯15バシール・フアイサル・モハメットをはじめとした、下級生を支える3年生の存在が大きいと語り、フルメンバーで臨むインターハイに向けては「上級生を中心に頑張ってほしい」と期待を言葉にした。

 

 

 

 インターハイ予選決勝で敗れ、冬に照準を合わせて今回の北信越大会に臨むこととなった帝京長岡は、今回もあと一歩及ばなかった。だが、柴田勲監督は「(昨年のインターハイとウインターカップの準優勝メンバーである)コネ以外はほとんど経験のない子たち。こういう大会を経験することで、自分たちの甘さに気付いたり、勝負どころの戦い方のポイントが日頃の練習とちょっとずつつながるようになってきているので、そういう意味では収穫があった」と振り返った。その上で、「勝ち上がっていくことが一番の自信になるので、これからも勝つことにはこだわりながらやっていきたい」と続けた。
「去年のチームはよく頑張ってくれましたが、今年のチームにも大きな期待を寄せています。前のめりで、彼らに求めるものも多くて大変かと思いますが、彼らも負けずに応えてくれているので、お互いに根負けしないよう頑張っていきたいと思っています」(柴田監督)
鮮やかなブルーのユニフォームが再び全国の舞台に戻ってくるとき、どんなバスケットを見せてくれるのか楽しみだ。

 



<女子準決勝>
北越(新潟) 48‐33 開志国際(新潟)
鵬学園(石川) 77‐60 東海大付諏訪(長野)

 

<3位決定戦>
東海大付諏訪 55‐53 開志国際

 

<決勝>
鵬学園 74‐46 北越

 

 新潟3位で出場の北越が、準決勝で新潟1位の開志国際を破る番狂わせを演じた。しつこいディフェンスで相手の攻撃を抑え、フリーのチャンスでは思い切りよく放つ3Pがチームを勢いづけた。決勝では、昨年のインターハイで初出場を果たし、今年も2年連続で出場を決めている鵬学園の前に惜しくも敗れたが、最後まではつらつと、コートとベンチ、そしてスタンドから見守った仲間が一体となっての戦いは清々しいものだった。

 

 

 地元開催の北信越大会で見事優勝を飾った鵬学園は、昨年のインターハイでは2年生ながらスタメンとして出場し、京都精華学園と対戦した3回戦ではチームハイの14得点を挙げた濱谷月來が今大会も活躍。鋭いドライブで相手ディフェンスを切り裂いたかと思えば、スッと一歩引いての3Pなど変幻自在。同校の柿島誠一コーチいわく、「相手にすると、ちょっと守れない、嫌なタイプ」という得点力でチームを力強く引っ張った。決勝は途中で足を負傷し、最後は仲間の戦いを見守ることとなったが、インターハイでは昨年の経験も生かして、さらに成長したプレーを見せることだろう。

 

 

 

 

 新型コロナウイルスの影響で中止となった令和2年を除き、3大会連続5回目の優勝を目指した開志国際は4位に終わった。インターハイ予選では新潟中央に辛勝して出場権を獲得している同校だが、伊藤翔太コーチは「今、ちょっとチームのバランスが崩れてしまっています。苦しい中、インターハイ予選を勝ち上がって本大会の出場権を獲得したのは自分たちの頑張りだと思いますが、もう1回立て直さないといけない。個人でバスケットをしてしまっているところがあるので、今回の敗戦は、自分たちを見直すきっかけになる」と語り、表情を引き締めていた。

 

取材・文・撮影〇村山純一(月刊バスケットボール)



PICK UP