月刊バスケットボール5月号

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2022.06.15

町田瑠唯は「ちょっと苦戦中。でも大いに貢献している」 - マイク・ティボーGM兼HC語る

 日本時間6月15日(北米時間14日)にワシントンD.C.のエンタテインメント&スポーツ・アリーナで行われた、ワシントン・ミスティクス対フェニックス・マーキュリーの一戦で、町田瑠唯が16試合連続出場を果たし、2リバウンド、1アシスト1ブロックショットを記録した。ミスティクスは2日前に延長で敗れたマーキュリーに対し83-65でリベンジを果たし、今シーズンの通算成績を10勝6敗(勝率.625)として首位のラスベガス・エイセズ(11勝2敗、勝率.846)を2.5ゲーム差で追う4位だ。


町田はこの試合でフィールドゴールアテンプトが4本あったが、いずれも不成功で無得点に終わっている。直近の4試合を振り返るとフィールドゴールは10本中2本のみ成功の成功率20.0%。3Pショットは4本すべてがミスだった。その間のアベレージは平均1.8得点、1.0リバウンド、1.8アシストで、いずれも16試合全体の数字(2.5得点、1.8リバウンド、3.1アシスト)を下回る数字だ。

 


昨シーズンのWリーグでリーグトップの平均8.05アシストに同24位の10.60得点を記録した町田とすれば、現状のプレーぶりは不本意かもしれない。しかし言葉の壁がある中で出場機会はコンスタントに得られており、この試合でも11分2秒、接戦の状況でもコートに立っている。開幕から1試合も欠けることなく16試合連続出場できているのは、チームとしての期待・信頼の証し以外の何物でもないだろう。


数字としてはおとなしい町田のパフォーマンスについて、マイク・ティボーGM兼HCはどう思っているのか。マーキュリーを倒した後の会見で聞いてみると以下のような答えを返してくれた。


「彼女は今、シューティングでちょっと苦戦中ですね。でも、より積極的に打つようになってきていますから。私はそれでミスしたってかまわないと思っていますよ。うんとアグレッシブになってきているわけですから。この数試合も素晴らしいパスを出していますしね」
“Well, I think she is struggling with her shooting a little bit right now. She is much more willing to shoot, which is …, I’m happy with that. I’m okay with her misses because she’s been more aggressive. She’s had some great passes in the last couple games.”


「少し出場時間が短くなっているのは、対戦相手が多くいくフィジカルな相手で、マッチアップも好ましくなかったからです。彼女はしっかり、日々貢献してくれていますよ」
“You know, one of the reasons her minutes have been down a little bit is we’ve been playing with big, physical teams and match-ups haven’t been as good. You know she’s been a great contributor to our team, you know, night in and night out.”

 


試合後会見でのマイク・ティボーGM兼HC(写真をクリックすると会見映像が見られます)


この試合のWNBAリーグパスでの中継では、コートサイドリポーターが町田に関してレポートし、取材中に英語の「annoying」にあたる日本語として「やっかい」という言葉を習ったというエピソードを話す場面があった。町田の周囲がディフェンスのしつこさを表してそう言っているからだという。数字的な印象とは裏腹に、町田に対する期待や評価が「高止まり」していると感じられる試合だった。

 

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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