川島悠翔は「三ツ星レベルのスコアラー」 - U16フィリピン代表ケイラム・ハリス語る


U16フィリピン代表の得点源、ケイラム・ハリス(写真/©FIBA.U16Asia)

 

 FIBA U16アジア選手権2022のグループCで日本と対戦し、67-73で敗れたU16フィリピン代表の得点源、ケイラム・ハリスがその試合を振り返っていくつかのコメントを聞かせてくれた。ハリス自身、この試合でチームハイの18得点を挙げ日本にとっての大きな脅威となった存在だ。特に第4Qは、ゴール下でファウルを受けながらワンステップで飛び上がり、両手で豪快に押し込むスラムダンクや3Pショットで、フィリピン代表のしぶとい追撃をけん引した。


その目にU16男子日本代表は、高度なまとまりを持つハイレベルなチームとして映っていたようだ。

 


日本との試合では特に第4Qにチームを鼓舞する活躍を見せた(写真/©FIBA.U16Asia)


――今日はチームを挙げて一試合を通じてアグレッシブに、我慢強く戦っていましたね。ご自分たちのプレーをどう思っていますか?


「僕たちはハードにプレーできたと思います。リバウンドでも負けていたとは思いません。頑張りでは負けていませんでした。唯一違ったのは、お互いの強みや弱みを知っているかというような、細かな点だけです。IQでやられましたね。他の側面ではしっかり張り合えていました」
“I believe that we played hard. I don’t think we got outrebounded. I don’t think their effort was higher then ours. I think the only thing that separated us was the little things as in knowing each other‘s strengths and weaknesses. I feel like the one thing that we got beaten was IQ. Every other part of the game, we were right there with them.”


――ご自分自身とても良いプレーぶりで、特に後半は素晴らしい出来でした。何がうまくいき、何が難しかったですか?


難しかったのはペイントアタックです。僕はそこを活躍の場としていて、そこでうまくできれば25得点くらいは獲れるんです。彼らはそこを閉じていました。だから僕はそれ以外の、今練習やトレーニングで取り組み中のことをやらないといけなくて大変でした。うまくいったのは、後半ショットが良く決まってくれた点です。チームとして一体になってプレーできるようになりました。
“I think the one thing that was hard to overcome was getting to the paint. That’s where I thrive and that’s where I can end up scoring 25 points. They shut that down so I had to go to the things that I was working on in practice and in training. Things that went well was you know in the second half my shots started to fall and the team started to play together.”


――日本の#10川島悠翔も非常に良い出来でした。彼の印象を聞かせてください。


すごいプレーヤーです。体の使い方をよく知っていますね。三ツ星レベルのスコアラーだと感じました。ディフェンスでもしっかり守っていましたよね。
“He’s a great player. He knows how to use his body. I feel like he’s a three (star) level scorer and he could also defend on the defensive end.”


今大会で身長195cmのスモールフォワードと登録されているハリスは、アメリカ在住でテネシー州のスチュワート・クリーク高校に通っているとのこと。フィリピンのオンラインメディアphilstar.comによれば、すでにNCAAディビジョン1の大学からオファーが来ており、具体的な名前としてテネシー州大、アラバマ農工大の名も挙がっている。

 


川島(左)もハリス(右)もNCAAディビジョン1、さらにはNBAなど世界のトップリーグで活躍してしてほしいタレントだ(写真/©FIBA.U16Asia)

 

 ハリス自身のコメントを聞き、リクルーティングに関するハリスの情報に触れると、そのまま同じ状況が川島の周辺で起こっても不思議ではないと思えてくる。今回の対戦では川島がハリスをしのぐ26得点、18リバウンドのモンスターゲームでU16日本代表をけん引し、チームに勝利をもたらした。この先両者にどんなことが起きていくかを考えるのは楽しみ以外の何物でもない。数年後にハリスと川島、両方の名前をNCAAディビジョン1や海外リーグで聞くことになっても「あ、彼らはあのときマッチアップしていましてね…」と知った顔ができそうだ。

 


ハリスは川島を「三ツ星スコアラー」と形容した(写真/©FIBA.U16Asia)

 

 

取材・文/柴田 健(月バス.com)

(月刊バスケットボール)



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