月刊バスケットボール6月号

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2022.06.13

町田瑠唯3得点に会場を沸かせるアシスト2本 - ミスティクスは敗れる

 日本時間6月13日(北米時間12日)に行われたワシントン・ミスティクス対フェニックス・マーキュリー戦で、町田瑠唯が3得点、2アシスト、1リバウンドを記録した。延長にもつれ込んだ激戦をミスティクスは90-99で落としたが、町田はWNBA開幕から全15試合に連続出場を果たしている。

 

 

 町田は第1Q残り4分23秒にベンチから登場し、残り1分25秒に素早いトランジションからケネディー・バークのレイアップに1本目のアシストを記録。さらに、スターターとしてコートに立った第2Qには、早々に果敢なドリブルドライブでシューティングファウルを受け、フリースローでこの試合初得点を奪う。その約20秒後、今度は右エルボー付近にドリブルでペイントタッチを試み、あわせてゴールにカットしたエリザベス・ウィリアムズにノールックでフックパスを通してリバースレイアップをアシストした。2本のアシストの場面ではそれぞれ広い視野とスピード、絶妙のボールコントロールで会場を大いに沸かせ、クォーターの立ち上がりにチームに勢いをもたらす存在となっていた。


接戦となった後半、ミスティクスはスターターの5人を軸にプレーする流れとなり、町田の出場時間は限られた。それでも第3Q残り1分43秒に左ウイングからプルアップ・ジャンパーを沈め、クォーター終了間際にもマーキュリーのガードで東京2020オリンピックにも出場したスカイラー・ディギンズ-スミスのショットにしつこくクローズアウトしミスショットに終わらせるなど良い動きを見せた。フリースローの機会を得たのは直近3試合で2度目。これもアグレッシブさがうまく表現できるようになってきた証しの一つと言えるのではないだろうか。


ただ、ミスティクスはチーム全体として、第3Qまでフリースローの確率が50%を割るなど本来の力を出し切れなかった。終盤にはマーキュリーのゾーンディフェンスに苦しみターンオーバーも多くなり、きわどくリードしながらも引き離せない難しい展開となった。逆にマーキュリーは、この試合で27得点を挙げたディギンズ-スミスや、大ベテランのダイアナ・タラシ(同20得点)のビッグショットでしぶとく応戦。延長ではタラシがファウルアウトする苦境を跳ね返してアウェイで価値ある勝利をモノにした。


試合後に行われたミスティクスの会見ではマイク・ティボーGM兼HCも元気がなく、「今シーズン最もうっぷんのたまる負け方でした」と言葉少なに記者とのやり取りを終えていた。ミスティクスはこの試合を終えて通算成績9勝6敗(勝率.600)でリーグ5位。町田自身は平均2.7得点、1.7リバウンド、3.3アシストのアベレージとなっている。



文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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