月刊バスケットボール5月号

【関東大会・女子2日目】貫録を見せた明星学園&試合毎に成長した千葉経済大附が優勝

 Aブロックで優勝したのは、明星学園(東京)と千葉経済大附(千葉)。

 

 このうち明星学園は、2回戦で昭和学院(千葉)に119‐60、準決勝で市柏(千葉)に86‐43で勝利しての優勝。両試合とも最初から最後まで常に主導権を握ってゲームを展開する圧勝劇だった。

 

 

 そんな明星学園の強みは、スピードのあるガード#18池田凛を中心に、シュート力のある#16鶴丸聖奈、#76梅村成理が外からだけでなく中にも切れ込む波状攻撃でどんどん加点していくこと。これは青木良浩コーチが「うちが目指しているのはトランジションを速くすること」というスタイルを体現したものだが、195㎝の#85アダム アフォディアもリバウンドやポストプレーをするだけでなく、しっかり走る。するとそれだけ攻撃の選択肢が増え、またオフェンスリバウンドを取ってくれる可能性が高くなるためシューター陣が安心してシュートを打てるという側面もある。

 

 

 一方、ディフェンスではマンツーマンをベースに、「まだまだ課題はありますが、ゾーン的なマンツーマン、マンツーマン的なゾーンを状況によって使い分けています」(青木コーチ)と言うように相手に対応する幅があり、それが今大会での失点の低さにもなっている。

 

 

 また青木コーチは、ベンチの選手たちについても「しっかり自分の仕事ができています」と評価。今年のチームについては「選手全員がまだまだ伸びる可能性を持っています」と期待を寄せているが、まずは今回の関東大会でそのポテンシャルを示した形に。今後、東京のインターハイ予選が行われるが、明星学園が出場枠を勝ち取り、その後の全国でも上位まで勝ち上がってくる可能性は十二分にあるだろう。

 

 

 

 そして、もう一つの優勝校、千葉経済大附は2回戦で八雲学園(東京)に71‐66、準決勝で東京成徳大(東京)に88‐60で勝利。

 

 

 八雲学園との試合では、1Qで12点のリードを奪い、その後も終始リードしていたものの、4Q残り3分57秒で59‐57と迫られると、続くプレーで#7タンジャ マロ ナオミにリング下のバスカン+フリースローを許し59‐60と逆転されてしまう。流れの悪い場面だったが、ここで勝負強さを見せたのが#5伊藤紗友希。リング下やバスカンとなるフェイダウェイジャンパー+フリースローを冷静に沈め、八雲学園を振り切る原動力となった。

 

 

 その#5伊藤は、続く東京成徳大との準決勝でもチームハイの33得点と大活躍。千葉経済大附にはほかに#4川井田風寧、#12坂口彩花とスピードとシュート力のある選手、チームイチの長身(177㎝)で欲しいときにシュートを決め切る#11角陽菜多、リズム感あるドリブルでチームに流れをもたらす#9川口結愛、思い切りのいいペイントアタックを見せる#7林朋花など、個性的な選手が揃っているのが魅力。池端直樹コーチも「初戦は少し固い部分がありましたが、試合毎に修正できて、最後はいちばんいいゲームができたことは収穫です」と今年のチームに手応えを感じている様子だった。

 

 

 

取材・文○高木希武

写真○石塚康隆



PICK UP