月刊バスケットボール5月号

Bリーグ

2022.06.10

Bリーグファイナル、フィリピンでも第1戦のビューイングパーティーが開催される


©︎B.LEAGUE

 

 5月28日に東京体育館で開催された日本生命B.LEAGUE FINALS 2021-22 GAME1に合わせて、フィリピンでBリーグとして海外で行う初のイベント「日本生命B.LEAGUE FINALS 2021-22 GAME1ビューイング・パーティー」が開催された。現地では「NISSAY B.LEAGUE FINALS 2021-2022 Watch Party」と題されたこのイベントは、マニラの商業的中心地ボニファシオ・グローバルシティにあるスポーツ店タイタン・フォートで、同店とフィリピンの有力バスケットボールメディアとして知られるSLAMフィリピンとのコラボレーションで開催された。


当日の会場には、フィリピンから来日してBリーグで活躍しているハビエル・ゴメス デ リアニョ(茨城ロボッツ)、レイ・パークスジュニア(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)、サーディ・ラベナ(三遠ネオフェニックス)、カマーク・カリノ(青森ワッツ)、キーファー・ラベナ(滋賀レイクスターズ)の5人を招いてのトークショーや、現地メディアとの質疑応答も行われた。また、在フィリピン日本国大使館から越川和彦駐フィリピン日本大使も来場し、Bリーグのアジア戦略における重要国であるフィリピンからBリーグに参戦しているフィリピン人プレーヤーたちへの激励と謝意を表し、バスケットボールを通じた両国の親睦を祝すメッセージも披露された。

 


左からレイ・パークスジュニア、キーファー・ラベナ、越川大使、サーディ・ラベナ、ハビエル・ゴメス デ リアニョ、カマーク・カリノ(©︎B.LEAGUE)

 


親睦のメッセージを披露する越川大使(©︎B.LEAGUE)


フィリピン人Bリーガーのトークショー配信


 5人のフィリピン人スターによるトークショーでは、それぞれが今シーズンを振り返り、どのように日本での生活に順応したかを話した。滋賀レイクスターズのキーファー・ラベナは、弟のサーディ・ラベナが所属する三遠ネオフェニックスとの開幕節の2連戦後に「本当に疲れてしまって、全身筋肉痛になった」とのこと。「これから1年このようなタフな日々が続くんだと自分に言い聞かせ、メンタル面でもフィジカル面でも準備をしていった」と当時の心境を明かした。


サーディは、自身がフィリピン人Bリーガーのパイオニアとなったことについて、「多くのフィリピン人プレーヤーが海外でプレーするきっかけになれてとても嬉しい」と語るとともに、後続のフィリピン人Bリーガーの拡大を願う。「より多くのプレーヤーが日本にきて、オンコートはもちろんオフコートでもとても美しい日本を経験してほしいですね」


新型コロナウイルス感染拡大防止策の下、メディアを含めて招待制での開催となったこの日は、現地のTV局や新聞、オンラインなど十数社のメディアが駆け付け、広くフィリピン全土にイベントの様子を報じた。Bリーグは2021-22シーズンから、Tap Digital Media Ventures(ケーブルテレビ、インターネット配信事業者)のサービスを介してフィリピン国内の400万世帯で試合中継を視聴できる環境を整えている。今回のイベントが多くのメディアに取り上げられ盛況だったのも、フィリピン国民のBリーグに対する注目度の高さの表れ。ポストコロナのインバウンド観光が回復するとともに、フィリピンからも多くのファンがBリーグ観戦を目的に来⽇することも期待できそうだ。

 


(©︎B.LEAGUE)

☆越川和彦駐フィリピン日本大使
フィリピン人アスリートの素晴らしい才能が、B.LEAGUEに魔法をかけてくれました。皆さんは私たちの絆を深める新たな道を切り開いたのです。
これからもより楽しみなことがあります。2023年、私たちはバスケットボールへの愛を世界の舞台で表現することになるのです。来年は日本、フィリピン、インドネシアで開催されるFIBAバスケットボールワールドカップ2023で、“3Pシュート”を決めるのです。

 

☆Q&Aセッションでの各プレーヤーの一言
――今シーズンBリーグで学んだことの中で、自身のスキルに一番役立ったことは何か?

 


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ハビエル・ゴメス デ リアニョ(茨城ロボッツ)
Bリーグから多くのことを学んだが、私にとってはディフェンスが大きかった。チームメイトのディフェンスは素晴らしく、多く学んだので、フィリピンに持って帰ることができると思う。

 


(©︎B.LEAGUE)

レイ・パークスジュニア(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
バックトゥバックゲーム(連続試合)の中で、体を回復させるために自身への負荷をいかに管理するかが重要だと学んだ。ときには週に3試合あり簡単ではない。若いときは40分試合に出たいと思うものだが、このようなハイレベルでプレーをしていると20~25分で動きも控えてコントロールし、回復できることがとても重要。

 


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サーディ・ラベナ(三遠ネオフェニックス)
“準備”が日本で一番学んだことで、まだ学んでいる途中。この2年間で自分のルーティーンができた。練習前後の体のケアなどで自分をリセットする。60試合は簡単ではなくハイペース。特に出場時間が20分以上と長いとタフになるので、ルーティーンを通して体が常に健康か、頭はクリアかを確認するようにしている。

 


(©︎B.LEAGUE)

カマーク・カリノ(青森ワッツ)
たくさんのことを学んだが、特に連戦が大きい。体調管理をしっかりしなければならないし、よく食べることも。(連戦については)正直びっくりした。フィリピンでは通常1週間間が空くが、Bリーグでは土日両方に試合があり、ときには水曜にもある。だから体調管理が必要で、時間の管理についても学んだ。

 

――日本でプレーしたいと思っているフィリピン人プレーヤーにアドバイスをするなら?

 


(©︎B.LEAGUE)

キーファー・ラベナ(滋賀レイクスターズ)
自分の決断に責任を持つこと。自分に賭け、自分を信じ、誰も自分のことを信じてくれなくても自分だけは何よりも自分を信じること。特に一人暮らしで時には話し相手が誰もいないときもある。自分への信頼が、毎日ただひたすら自分を突き進ませる。


カマーク・カリノ(青森ワッツ)
キーファーが言ったように自分を信じること。実は私が日本でのプレーを始めるとき、キーファーにアドバイスをもらった。そのおかげで生き残れた。


サーディ・ラベナ(三遠ネオフェニックス)
自制心を持つこと。これは日本人から学んだ。日本は美しい国でワクワクするような場所がたくさんあるが、特にシーズン中は集中する必要がある。本当に簡単ではないし私もまだまだだが、準備や回復に時間を取って体の面倒を見ることは、とても自分にとって良いこと。
もう一つは、自分の決断から揺るがないこと。道のりの中には色々なチャレンジがあり、とても簡単なことではない。日本に行く前は簡単に考えていたが、それは私の一つ目の誤りだった。
今のところは順調。これからタフになるだろうが、経験する価値のあることだと思っている。夢を大きく持つこと。それは誰でもできることだ。


レイ・パークスジュニア(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
ためらわないこと。この時代にバスケットボールに国境はない。若いうちから様々な文化に触れるべきで、現役でプレーできる時間は限られているので、若いうちになれる限りの最高のプレーヤーを目指すべきだ。


☆イベント後インタビュー
サーディ・ラベナ(三遠ネオフェニックス)
今シーズンは個人としてはまずまずの結果だったが、来シーズンはチームとしてより良いプレーをして勝利を掴みたい。


ハビエル・ゴメス デ リアニョ選手(茨城ロボッツ)
このような機会を可能にしてくれてとても感謝している。


レイ・パークスジュニア選手(名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)
外国籍プレーヤーとして国外で過ごした1年は精神的にも肉体的にもタフだった。コロナの影響で旅行もできなかったこともあるが、特に難しかったのはバックトゥバック(連続)試合だった。




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