月刊バスケットボール10月号

Bリーグ

2022.05.28

宇都宮ブレックスが第4Qに突き離し先勝 – B1チャンピオンシップファイナル第1戦

 5月28日に東京体育館で行われた琉球ゴールデンキングス対宇都宮ブレックスのB1チャンピオンシップファイナル第1戦は、両チームがビッグランを交互に展開する流れの中、第4Qに宇都宮が琉球をわずか5得点に封じる鉄壁のディフェンスと比江島 慎を中心とした得点で一気にリードを広げ、80-61で勝利。2度目のリーグ制覇まであと1勝に迫った。

 


第4Qの11得点を含む17得点で宇都宮ブレックスを勝利に導いた比江島 慎(写真/©B.LEAGUE)

 

☆B1チャンピオンシップファイナル第1戦試合結果
琉球ゴールデンキングス 61(19 16 21 05)
宇都宮ブレックス 80(18 20 16 26)

琉球トップパフォーマー: ジャック・クーリー(17得点、フィールドゴール成功率70.0%、16リバウンド)、ドウェイン・エバンス(10得点、5リバウンド、2スティール)、今村佳太(10得点、3アシスト)
宇都宮トップパフォーマー: チェイス・フィーラー(19得点、フィールドゴール成功率70.0%、3P成功率66.7%、11リバウンド、3ブロック)、ジョシュ・スコット(18得点、フィールドゴール成功率66.7%、5リバウンド、2ブロック)、比江島 慎(17得点、フィールドゴール成功率50.0%、4アシスト、3スティール)

 


両チームのブースター6,654人が来場したシリーズ第1戦は、琉球では並里 成、宇都宮では喜多川修平が残念ながら欠場となったが、最終的なスコアが示す以上に緊迫した展開の好ゲームとなった。第1Q序盤の接戦を抜け出したのは宇都宮。13-10の琉球リードの状況からチェイス・フィーラーが一人で8連続得点を挙げ、18-13と形勢を逆転させた。しかし琉球はクォーターをまたいで14-2のランで反撃。ジャック・クーリーがフィールドゴールとアンドワンのフリースローを成功させた第2Q残り8分18秒には、27-20とこの日最大の7点差のリードを築いた。

 


17得点、16リバウンドのジャック・クーリー。2項目とも前半で2ケタに乗せていた(写真/©B.LEAGUE)


前半はクーリーを中心とした琉球のリバウンドの強さが際立ったが、宇都宮は遠藤祐亮の2連続3Pショットなどで優位を取り戻し、前半終了時点で38-35と先行。第3Qは今村佳太がペイントアタックと3Pショットで8得点を挙げる活躍を見せた琉球が優位にゲームを展開し、最終クォーター開始時点では56-54でわずかにリードしていた。


しかしこの時点で、すでに流れは徐々に宇都宮に傾いていた。第3Q残り2分15秒に今村がフリースローを決め56-50とした後、第4Q残り7分30秒に比江島がフリースローを決めたところまで怒涛の16連続得点。ターンオーバーからコー・フリッピンに豪快なスラムダンクを決められその流れが一旦切れても、その後もハーフコートでのマッチアップ・ゾーンディフェンスが冴え、試合終了までほぼ完全に主導権を握って勝利をモノにした。琉球が攻めあぐむ一方で、宇都宮は比江島がこのクォーターだけで11得点。チームディフェンスと主役の活躍が直接的に勝利につながった。


勝負を左右する要因の一つと考えられたリバウンドに関しては、琉球が45-35とアドバンテージを取っていた。特に第3Qまでは、琉球がオフェンス・リバウンドを16本(試合を通じては22本)つかんだことが接戦につながる要因だった。しかし、その数字は琉球のフィールドゴール成功率の低さの裏返しでもあった。宇都宮は琉球の3P成功率を24本中4本成功の16.7%に封じ、フィールドゴール全体でも琉球を34.2%にとどめており、特に第4Qにはハーフコート・オフェンスで琉球に簡単なショットを許す場面がほとんど見られなかった。

 

 ただ、19点差がついた試合だったとはいえ、この日不振に終わった琉球の3Pショットが1本、2本、オフェンスが停滞した時間帯に決まっていたら、結果が変わっていた可能性は十分ある。ペリメーターで脅威となるべき岸本隆一と今村が、3Pショットに関してともにアテンプト6本中1本の成功(成功率16.7%)に終わったが、第2戦も同じとは限らない。


両チームは翌29日(日)にシリーズ第2戦をこの日と同じ東京体育館で行う。ティップオフは16時05分だ。



(月刊バスケットボール)



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