月刊バスケットボール6月号

【NBAのアレコレvol.63】2000年以降にレイカーズで5度の優勝を経験したポイントガードは?

 月バス.com限定配信の「NBAのアレコレ」。今回は63弾、最終回お届けします。「NBAをこれから見はじめたい!」「NBAについてもっと知りたい!」というアナタへ、月バス編集部が毎週一つずつNBAにまつわるマメ知識をQ&A方式で出題! 「これは知っているよ」というライトなものから「へぇ~」と思わず口にしてしまうようなディープなものまで幅広く紹介していきます!

 

 前回のお題は「2000年以降にレイカーズで5度の優勝を経験したポイントガードは?」でした。

 

 正解は…デレク・フィッシャー

 

 

 フィッシャーは決してスター選手ではありません。スコアラーでもなければオールディフェンシブ級のディフェンダーでもありません。しかし、2000~10年代のNBAを見ていたファンであれば必ずと言っていいほどその名を知っている選手ではないでしょうか?

 

 筋骨隆々な肉体とスキンヘッドがトレードマークの彼はコービー・ブライアントやアレン・アイバーソンらを輩出した1996年のドラフトで全体24で指名され、コービーとともにレイカーズでキャリアをスタートしました。

 

 最初の優勝はリザーブとして、以降4回の優勝は不動のポイントガードとして、キャリアの中で5度の優勝を成し遂げました。チームが強かった、運が良かった。そんな意見もあるかもしれませんが、そうしたチームに在籍し、数々のクラッチショットを沈めてきたフィッシャーの活躍は、ただ運が良かった程度で片付けられるものではないのです。

 

 特に印象深いのはやはり04年のウェスタンカンファレンス・セミファイナルのゲーム5。対スパーズとの試合で決めた"0.4秒ブザービーター"でしょう。

 

 このプレーの直前にティム・ダンカンがシャキール・オニール越しに放った高難度のジャンパーが決まり、スパーズが土壇場で大逆転。スパーズのファンはホームで大逆転劇を目の当たりにするはずでした。ゲームクロックはわずか0.4秒と逆転はおろか、シュートを打つ時間すらあるかどうかという場面。タイムアウト明けのインバウンドで徹底マークされているコービーは身動きが取れず、左45度にいたフィッシャーがなんとかボールを受けると、振り向きざまに投げるようにシュート。

 

 残り0.1秒の時点でボールは手から離れ、これがリングに吸い込まれたのです。インバウンドが左サイドからだったこと、フィッシャーが左利きだったことが重ならなければ、手からボールが離れる前にゲームオーバーだったでしょう。

 

 こうしたクラッチショットを特にアウェイ沈めてきたからそこ、フィッシャーの存在価値は高いのです。

 

 2010年のファイナルでフィッシャーはこんなことを言っていました。

 

「若手はホームで活躍すればいい。アウェイではおれたちベテランが仕事をこなすから」

 

 こんな先輩がいたら惚れちゃいますよね。

 

 63回にも及んだ連載はこれにて終了です。ご愛読いただいた方々が少しでもこの「連載を面白い!ためになった!」と思っていただけたらうれしいです。またどこかでこうしたNBAの連載は始めたいと思います。

 

 では、皆さんに最後の質問です。

 

 アナタの好きな選手、チームはどこですか? もしよければ理由と併せて教えてください!

 

文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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