月バスTOPICS

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2019/04/17

今週の逸足『AIR JORDAN 5』

 SI誌のこの特集は大きな議論を巻き起こし、皮肉にも、ジョーダンとAJの人気をさらに世間に知らしめることになった。表紙に用いられたAJ5は度々「米国では殺人事件が起きるほどの人気スニーカー」という触れ込みで紹介され、日本でもAJシリーズへの注目度は急速に高まった。一方、このストーリーが独り歩きした結果、いくつか誤解も生じている。メリーランド州の事件の発生は1989年5月。つまり犯人のジェームズが奪ったのはAJ5(1990年発売)ではなく、おそらくはAJ4だ。加えて、奪ったAJは、彼の足には合わないサイズだった。ジェームズは事件から7年後に釈放されているが、その後さらに3人の命、それも少年少女ばかり、を奪って再び収監されている。犯行の動機が本当に「AJ欲しさ」によるものだったのかは、現在では疑問視されている。
 

 SI誌の報道から間もなく30年がたつ。残念ながらスニーカーを巡る暴力沙汰はやまず、むしろ広がっている。2011年にはAJ11の“コンコルド”カラーの復刻版を購入しようと全米各地の小売店に客が殺到。店頭のガラスが割れるなどしたため、警察が出動して催涙スプレーを使用する事態となった。今年3月には日本でも、シュプリームとNBAのコラボによるナイキ・エアフォースワンを購入するための行列でトラブルが発生。客が店側の警備員に暴力を振るう動画がSNSで拡散し、物議をかもした(後に中国籍の若者6名が逮捕された)。この事件を受け在日中国大使館は、日本の法律の順守や節度ある買い物を呼びかける異例の声明を公表したほどだ。  ここ数年のスニーカーバブルとフリマアプリの普及を背景に、希少モデルの争奪戦はますます激化している。スニーカーファンと“転売ヤー”たちの小競り合いは毎週のように発生しており、いつまた大きな事件が発生してもおかしくない。私たちはまだしばらく「スニーカーか、命か」のテーマに向き合い続ける必要がありそうだ。
 

月刊バスケットボール2019年2月号掲載

◇一足は手に入れたい! プレミアムシューズ100選

http://shop.nbp.ne.jp/smartphone/detail.html?id=000000000593

(月刊バスケットボール)


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