月バスTOPICS

月バスTOPICS

2019/04/17

今週の逸足『AIR JORDAN 5』

NIKE AIR JORDAN 5

 

文=岸田 林 Text by Rin Kishida

写真=中川和泉 Photo by Izumi Nakagawa
 

  バスケットボールシューズの歴史において、大きなインパクトをもたらした一品(逸足)を紹介するこのコーナー。今回取り上げるのは、1990年発売されたジョーダンシリーズの第5弾『AIR JORDAN 5』。発売当時、注目のあまり暴動が起きるなど“ただのスニーカー”としてだけでは片づけられないほど話題を呼んだこの一足は、今日でも多発するスニーカー事件の象徴として今でも語り継がれるものとなっている。
 

 この冬日本でも封切りとなった映画『キックス』は、ストリートの少年たちとスニーカーの関係を通して、アメリカ社会のリアルな一面を描いた作品だ。主人公のブランドンは、カリフォルニアに住む15歳の少年。背も低く、取り柄もない彼だったが、コツコツとためたお小遣いでナイキ・エアジョーダン(AJ)1の“ブレッド”を入手すると、周囲の友人たちの彼を見る目が一変。女の子からも気にかけてもらえるようになる。「これで自分の人生も変わる」と思ったのもつかの間、地元のギャングに大切なスニーカーを強奪されてしまう。彼は命よりも大切なスニーカーを奪い返すため、友人と行動を起こすが…。
 

 “たかがスニーカー”を巡り、少年たちが犯罪や暴力に手を染める。その構図が社会問題化したきっかけは、1990年に発売された『スポーツイラストレイテッド(SI)』誌(5月14日号)だった。のちに『シカゴ・サンタイムス』の名物コラムニストとなるリック・テランダーが手掛けたカバー特集のタイトルは「Your Sneakers or Your Life(スニーカーか、命か)」。表紙には、AJのウィングロゴTシャツをバックに、右手に銃を、そして左手にAJ5を握ったアフリカ系の少年の手元が写っていた。


あなたはどう思う?コメント書く

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください