3×3女子日本代表、いよいよ5.30オリンピック予選最終日

スイスは身長180cmのマリエル・ジロウを中心にディフェンスを頑張るチームだ(写真/©fiba.basketball)

 

 日本が準々決勝で対戦するスイスは、プールDで3勝1敗の2位だが、同プール1位のスペインに16-14で勝利している。ディフェンス面でしぶとく相手にプレッシャーをかける点は日本と共通する特徴だ。登録されている4人のプレーヤーの中で最大の得点源は、チーム最長身の180cmのマリエル・ジロウ。個別のプレーヤーが大きな脅威となる高さを持ったチームではないが、全員が174cm以上で平均では177.3cmある(日本は174.8cm)。プールDで競い勝った相手のスペインは、189cmのアイタナ・クエバス、186cmのベガ・ヒメノを含め3人が180cm台という大型チームだったが、高さに圧倒されることなくその相手を14得点に抑えた。
このサイズ感に日本が攻防でどんな対応を見せるかが一つの見どころ。馬瓜ステファニー(181cm、トヨタ自動車アンテロープス)と西岡里紗(186cm、三菱電機コアラーズ)は、確かに高さでアドバンテージがある。しかしジロウは経験値が高く、178cmのサラ・カーショウと共にスペインの長身プレーヤーを苦しめたことからも、そのアドバンテージが絶対的なものと捉えるべきではないだろう。

 

西岡里紗の高さを攻防でうまくいかせるかどうかも日本にとっては大きなカギ(写真/©fiba.basketball)


日本の最大の得点源である山本麻衣(165cm、トヨタ自動車アンテロープス)、要所で大事なゴールを成功させている篠崎 澪(167cm、富士通レッドウェーブ)は、ドライブでもアウトサイドシューティングでも、世界の高さに対抗できることを十分示している。しかし今回の準々決勝で2人が主にマッチアップすることになりそうなエビータ・ヘルミンジャード(174cm)とナンシー・フォラ(177cm)はどちらもひと回り大きくフィジカルなプレーヤーだ。前述の対スペイン戦ではオンボールでもオフボールでも執拗に食らいつくディフェンスを見せていた。

 

世界を相手に実力を示してきた山本の活躍に期待がかかる(写真/©fiba.basketball)

 

篠崎は今大会で、対ウクライナ戦のクラッチジャンパーをはじめ要所で好プレーを見せている(写真/©fiba.basketball)


いずれにしても日本は、今大会であと2勝すれば東京オリンピック出場権獲得という位置までやってきた。ここまでは順調だが、日本同様に負けたら終わりの準々決勝に、スイスも全力でぶつかってくる。

 日本は準々決勝に勝った場合、ハンガリー(プールC1位)とフランス(プールA2位)の勝者を相手に準決勝を戦う。フランスはプールAでWNBAの実力者をそろえたアメリカ代表に対し21-17と善戦したチーム。このフランスが上がってきても、あるいはそれをしのいでハンガリーが勝ち上がるとしても、最後の難関が強敵相手となることは間違いない。準決勝で敗れて3位決定戦を戦う場合にも、どのチームが相手になるにせよそれは同じことだ。

 日本が準決勝と3位決定戦で連敗を喫した場合には、東京オリンピックの残された出場枠1枠をかけて、最終予選の位置づけとなる『FIBA 3×3 ユニバ―サリティー方式オリンピック選考会2021 (UOQT)』(ハンガリーにて6月4日[金]から6日[日]まで開催予定)に臨むことになっている。

 

【関連記事】 3×3オリンピック予選が開幕、女子日本代表は初日2連勝を飾る

 

■FIBA 大会公式サイト(英語版):
http://www.fiba.basketball/olympics/3x3/2020/OQT

 

【備考】 OQT 放送関連情報
■ABEMA 『FIBA3×3 オリンピック予選 2021』 女子日本代表全試合中継
放送チャンネル:SPORTS LIVE 2
解説:栗原三佳、ともやん【レイクレ】 / 実況:新岡 潤
〇5月30日(日) 午後7時30分~(生中継)
(準々決勝・準決勝 / 五輪出場権獲得試合、3 位決定戦/ 五輪出場権獲得試合)
視聴 URL: https://abema.tv/channels/world-sports-2/slots/EN5m1jDaJ51Pfm

 

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文/柴田 健(月バス.com)
(月刊バスケットボール)



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