3×3

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2022/05/26

東京2020の盛り上がりを絶やさず、世界初の3人制プロリーグ『3x3.EXE PREMIER』は進化を続ける

 世界初の3x3プロリーグとして生まれた3x3.EXE PREMIER(スリーエックススリー・エグゼ・プレミア)は、今では100を超えるチームが参加するグローバルなリーグとして発展を続けている。しかし、東京2020を超えて、さらに進化、発展するために生まれ変わろうとしている。そんな3x3.EXE PREMIERの新ディレクターに就任した海老原奨氏に今後の展望を聞いた。

 

グローバルに発展する3x3プロリーグを

ストリートネイティブがさらに進化させる

 世界初の3x3プロリーグとして2014年に創設されたのが『3x3.EXE PREMIER』。当初は男子7チームでのスタートだったが、2018年には女子の部も設立。9年目を迎える2022シーズンは男子42チーム、女子6チームが参戦し、5月28日(土)より開幕する。現在では日本だけにとどまらず、ニュージーランド、タイ、チャイニーズ・タイペイでも開催され、トータル100チームを超えるグローバルなリーグへと成長を続けている。

 そうした3x3.EXE PREMIERのリブランディングを試み、今シーズンよりディレクターに就任したのが海老原奨氏だ。海老原氏は先の東京2020オリンピックにおいて、組織委員会の3x3競技運営統括の立場で、FIBA(国際バスケットボール連盟)とも連携し3x3を成功裏に導いた経歴を持つ。それだけでなく、自身も長くプレーヤーとして3x3に関わってきた。小学生のときに、近所の公園でバスケットボールを始めたという根っからのプレーグラウンドボーラーだ。バスケ好きが高じてアメリカのジュニアカレッジにも留学。本場の公園でもプレーをした。帰国後は日本の大学を卒業し、サラリーマンをしながら、コートネーム“AB”としてSOMECITY(ストリートボールリーグ)や、さまざまなストリートの大会に参戦してきた草分け的存在でもある。3x3が競技化された2013年には東京2020にも出場した落合知也らと共に日本代表候補にも名を連ねるまでになり、もちろん、2014年の3x3.EXE PREMIER開幕シーズンでもプレーしている。

 

海老原 奨 (えびはら すすむ) 1984年10月11日生まれ/埼玉県出身 東京2020大会組織委員会3x3競技運営統括を経て、クロススポーツマーケティング社に入社。3x3.EXE PREMIERディレクターに就任。また、公園のバスケットボールコートを再生するリノベーション・アートコートプロジェクトに取り組む一般社団法人go parkey(ゴー パーキー)の代表理事も務める。 ©Kenji Nakata

 

東京2020での盛り上がりに満足せず、

もっと魅力を発信していく

 男女共に予選ラウンドを突破した日本代表の活躍があった東京2020だが、「欲を言えば、メダルが欲しかったですね」と海老原氏。というのも、オリンピック後の盛り上がりが今一つだと感じているからだ。

「3x3はオリンピックの新種目に採用され、自国開催でもあったことで、『みんなで頑張っていこう』と業界全体で走り続け、盛り上げてきました。しかし、オリンピックが終わって半年以上が過ぎ、自分が期待していたほどではないというか、同じく新種目となったスケートボードのようなインパクトを残せていないと感じています」

 だからこそ、運営側のプロとして3x3を盛り上げようと決意したのだ。海老原氏は「『アーバン』『グローバル』『ユース』と3つのキーワードを掲げて、新たな3x3.EXE PREMIERの魅力を打ち出していきたいと考えています」と構想を語る。中でも「若い世代へのアプローチ、扉を開いていきたい」と注力していると言う。

 若いプレーヤーの発掘と参加を呼び込むための仕組みづくり「3x3.EXE PREMIERができ、我々のようなボーラー、そして、BリーグなどトップリーグのOBといったプレーヤーが融合し、これまで日本の3x3シーンの土台を作ってきました。女子も同様の傾向ですし、世界的にも一線を退いたトッププレーヤーが3x3で活躍するといったことはよく見られてきました。しかし、創設期とは違い、拡大し、より普及していく中で欠かせないのは、若い世代のプレーヤーたちが増えていくことです。そのための入り口を分かりやすくしたいと考えていました」

 そうした試みの一つが今年2月に開催した「3x3.EXE PREMIER JAPAN COMBINE2022」(以下コンバイン)である。コンバインはいわゆる誰でも参加できるトライアウトで、特に若い世代に向けては、各チームのロスターにU23(23歳以下)を対象にした特別枠を設け、3x3.EXE PREMIERにコンバインから参加しやすい仕組みとした。さらに、5月14・15日、宇都宮市で開催された3x3ワールドツアー(FIBA主催の世界大会)開幕戦で、コンバイン参加選手を含む3x3.EXE PREMIER所属の若手選手の選抜チームを出場させたほか、女子に向けては3x3ウィメンズ・シリーズ(女子チームの世界ツアー)への参加枠を確保している。同大会は基本的にはナショナルフェデレーションが参加枠を持つが、民間企業として初めてその参加枠を得て、コンバインで才能を見出された選手を含む選抜チームが出場することになる。若い世代の挑戦が、グローバルな場へとつながっていくストーリーを構築していくことによって、日本における3x3の魅力を発信していこうとしているのだ。

 

 

新たなライフスタイルを提案できる

グローバルでアーバンなスポーツに

 3x3競技の魅力を「ショットクロックの短さ(12秒)による展開の速さ、21点でKOといった5人制にはない要素があります。また、体のぶつかり合いも激しい。2ポイントがあることで、日本のように小柄な選手が多くても十分に戦えます。通常のシュートが1ポイントですから、2ポイントは2倍の価値があります。5人制の3ポイントよりも威力があるわけです」と説明するが、そうした競技特性だけでなく、ライフスタイルとしての魅力も大きいと語る。

「スケートボードなどのアーバンスポーツと呼ばれる競技は選手たちが『楽しさ』を前面に出しています。そうしたスタイルが3x3にも根付いてほしいですし、一緒にイベントを行うなどしていけたら…」。そして、「部活などでバスケットボールをしてきた選手たちが、競技を終えて引退するのではなく、生活の中で3x3を続けていってもらいたい」と話す。「トップレベルで続けられるのはほんの一握りですが、3x3によって、その裾野が広がるはずです。プレミアなどでプレーするデュアルキャリアもいいですし、これまでにはない自由な、スポーツとともにあるライフスタイル、新しいカルチャーを作っていきたいですね」

 東京2020をきっかけに、3x3の世界は加速度的に変化を遂げている。日本においても3x3.EXE PREMIERがさらにグローバルに、さらにパワーアップし、生まれ変わろうとしている。海老原氏はその先頭に立って走り続けるに違いない。

 

 

※『3x3.EXE PREMIER JAPAN 2022』は5月28日(土)から全国13都市14会場で4か月の熱戦がスタートする。男子Round.1は5月28日(土)・29日(日)にワテラス(東京都千代田区)で開催。女子カテゴリーは6月11日(土)にオアシス21(愛知県名古屋市)で開催されるRound.1からスタートする。男子42チーム、女子6チームが参戦する。

▶https://www.3x3exe.com/premier/3x3news/

 

(飯田康二/月刊バスケットボール)

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