月刊バスケットボール6月号

NBA

2022.11.17

出場停止中のアービング、20日のグリズリーズ戦で復帰の可能性と報道

 

【ESPNの記者が選手会幹部を取材して紹介】

 

現地11月16日(日本時間17日)、出場停止処分を受けているカイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)が復帰のためのプロセスの終了に近づいており、早ければ現地20日の試合で復帰する可能性があると「ESPN」が報じた。

 

【動画】アービングのスーパープレー30選をチェック

 

エイドリアン・ウォジュナロウスキー氏は、NBPA(選手会)の常任理事タミカ・トレマリオ氏を取材し、早ければ現地20日のメンフィス・グリズリーズ戦で復帰する可能性があると自身のSNSで紹介している。トレマリオ氏は「特にユダヤ人コミュニティに対して、カイリーの言動がどんな影響を及ぼしてきたのかということに重きを置いて取り組んできている。どんな形であれ、彼が反ユダヤ主義を拒否すること。自分自身を向上させ、理解度を高めることが大事」とプロセスについて語ったという。

 

アービングの問題は先月末に、反ユダヤ主義の映画をSNSに掲載したことが発端。批判を受けると、アービングは「反ユダヤ主義者というレッテルは真実ではない」とツイートで反応したものの、一連の騒動を受けてネッツは2日にアービングとチームそれぞれが、人権侵害と戦う組織に対して50万ドル(約7,360万円)を寄付し、今後も協力していく予定など発表。さらにアービングの“責任を取ります”という言葉も紹介したが、翌日のメディアセッションでアービングは、反ユダヤ的信念を持っていないと言わず、映画に憎悪的な内容があるとも認めなかった。この姿勢を受けてネッツが追加の声明で「彼は現在チームに関わるのはふさわしくないと判断し、有害な影響に対して改善する策が満足に講じられるまで無給とし、最低5試合の出場停止処分を科すことにする」と発表することとなった。

 

ブルックリン・ネッツのジョー・ツァイオーナーによると出場停止期間中について、「ネッツとカイリーは、NBA、NBPAと共に許し、癒し、教育のプロセスに向けて建設的に取り組んでいます」とアービングがメンタル面のレクチャーを受けていると明かしていた。

 

またNBAは現地16日に反ユダヤ主義に対しての「#StandUpToJewishHate(ユダヤ人ヘイトに立ち向かう)」というメッセージ動画をSNSに掲載。「反ユダヤ主義とは憎しみです。ユダヤ人に対する憎しみです。ユダヤ人であることに対してです。多くの方が声を上げています。私たちは今日も皆さんの声を聞いています。明日も皆さんの声を聞かなければなりません。この国には800万人弱のユダヤ人がいます。アリーナのファンの声と同じように、あなたの声が必要なのです」と発信している。

 

文/広瀬俊夫(月バス.com)

 



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