月刊バスケットボール6月号

技術&戦術

2022.11.04

日本代表・宮澤夕貴が3Pシュート成功率アップの秘けつを伝授! ここ一番で入る3Pシュート(2) [リバイバル記事]

 

【3Pシュート成功率がアップした宮澤夕貴が自身のテクニック&考え方を紹介】

 

東京オリンピック2022、女子日本代表が世界を驚かせたことは記憶に新しい。史上初の銀メダル、その快挙を成し遂げるに当たり、大きな武器となったのが「3Pシュート」である。今やインサイドの人間でも打つことが当たり前になりつつある「3Pシュート」の確率を上げることは、すなわち勝利を近づくということ。いかにして成功率を高めるか? そのテクニック、考え方を紹介していこう。前回に引き続き、Wリーグでの3Pシュート成功率がアップした宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)が自身の考え方について解説。

 

※『月刊バスケットボール』2021年12月号に掲載したものを再編集した記事になります

 

※みやざわ・ゆき/所属・富士通レッドウェーブ/生年月日・1993年6月2日/身長183cm/神奈川県出身/ポジション・SF/金沢総合高/2011年インターハイ優勝、2016年リオデジャネイロ・オリンピック出場、2021年東京2020オリンピック準優勝

 

【画像】宮澤夕貴がアーチの高さについて自己解説した写真はこちらをクリック

 

▼宮澤夕貴が自己解説!

「アーチは高い方だと思います。シュートが決まったとき、ネットが“シュパッ”と跳ね上がるのが目安です」

 

アーチの高さは気にしています。低いと少しズレただけで入る確率が下がるので、高めから落ちる感じをイメージしていますが、逆に高過ぎるのも好きではないです。毎回同じような入り方をするように心掛けていて、入った後にネットがシュパッと跳ね上がるのをいい角度で入ったときの目安にしています。

 

 

〈Question 2

オリンピックなど緊張感のある試合で3Pを決め切るには?

 

〈Miyazawa’s Answer 2

チームメイトも分かってくれていたので、3Pシュートを打つことだけにフォーカスしていました

 

打たなければいけない、という役割でした。私が3Pシュートを打たないと流れが悪くなるのが分かっていましたし、練習でも打たずにドリブルしたら怒られたり。チームメイトもそれを分かってくれていたので、3Pシュートを打つことだけにフォーカスしていました。簡単と言えば簡単な仕事ですし、みんなと長い時間一緒に過ごしてきて、自分の打つべきタイミングも分かっていたので3Pシュートが打ちやすかったのもあります。自分のタイミングで打ったときもありましたが、流れの中での3Pシュートも結構あり、それはいつも練習してきたとおりだったので迷わず打てました。

 

また東京オリンピックでは私に相手の4番が付いてきたというのもあると思います。今までは3番でプレーしていたのでもう少しタイトに付かれることが多かったのですが、4番が付いたことで3Pシュートが打ちやすかったり、ピックして相手とのズレを作って打てたりしました。シュートチャンスが増えたこと、簡単にシュートが打てたこともあると思います。

 

試合で印象に残っているのは準々決勝のベルギー戦です。4Qで同点に追い付いた3Pシュート(残り4分55秒で75-75の同点に)で、町田瑠唯さんがドライブして後ろに合わせたシュートが入りました。それまで自分の中で『ちょっと入らないな』と思っていましたが打ち続けていて、大事な場面で決めることができて『ヨシッ!』という気持ちはありました。

 

●東京2020オリンピックでの宮澤の3Pスタッツ

(※左から、ラウンド/対戦国、成功/試投、成功率の順)

予選R1回戦/対フランス、1/5、20%

予選R2回戦/対アメリカ、3/9、33.33%

予選R3回戦/対ナイジェリア、5/8、62.5%

決勝T準々決勝/対ベルギー、7/13、53.85%

決勝T準決勝/対フランス、3/7、42.86%

決勝T決勝/対アメリカ、0/2、0%

合計19/44、43.18%

 

〈次回に続く〉

 

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