月刊バスケットボール6月号

NBA

2022.10.26

ロシア裁判所がグライナーの控訴を棄却 「もっと重い罪を犯した人たちが私の刑より軽い」と直接呼びかけも減刑されず

 

【グライナーの控訴が棄却される】

 

現地10月25日、ロシア・モスクワの裁判所は、バスケットボー女子アメリカ代表選手、ブリトニー・グライナーの控訴を棄却した。グライナーは今年2月、モスクワの空港で荷物に大麻成分が入ったオイルが見つかったことで勾留され、8月の裁判で9年間の禁錮刑を言い渡されている。

 

【SNS】控訴棄却を受けて発表したWNBAの声明がこちら

 

アメリカ各紙だけでなく世界各紙が注目した控訴審。グライナーは勾留施設からオンラインで3人の裁判官に対して犯した罪について改めて謝罪したうえで「現在の状況が非常にストレスとなり、トラウマになっています。裁判所が、この判決を考慮することを願っています。もっと重い罪を犯した人たちが、私の刑より軽いもので済んでいます」と呼びかけたものの、裁判所は8月の判決を支持して棄却となった。

 

兼ねてからグライナーの解放を要求しているジョー・バイデン大統領は「これまでのところ、ロシア側からあまり前向きな反応がないが、引き続き接触していく」と発言。国務省の報道官は、「ブリトニー(グライナー)とポール(ウィーランさん、スパイ疑惑で逮捕された元海兵隊員)を含めて、不当に拘束されたすべてのアメリカ人が愛する人と再会するまで続けていく」とコメント。アメリカ政府は、交換取引の条件として、アメリカで有罪判決を受けているロシアの武器商人ビクトール・バウトの引き渡しを提示したと伝えられている。

 

また、WNBAコミッショナーのキャシー・エンゲルバートは「棄却は残念だが、予想外ではなない。我々は、交渉を続けているアメリカ政府と国務省の努力に感謝している。今こそこの件に終止符を打ち、BG(グライナー)を帰国させるべき時だ」と声明を発表している。

 

文/広瀬俊夫(月バス.com)

 



PICK UP