月刊バスケットボール5月号

中学(U15)

2022.01.08

【Jr.ウインターカップ2021-22】男子決勝は11時半開始! 近畿のライバル対決、ゴッドドアとKAGO CLUBのどちらが初栄冠を手にするか

※写真は合成です

 

1月8日、「Jr.ウインターカップ2021-22(2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会)」大会5日目男子決勝、11時半より同じ近畿地区で切磋琢磨するライバル・ゴッドドア(兵庫県)対KAGO CLUB(大阪府)が行われる。

 

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「丸田さんも僕も関西人なので、この対戦は楽しみでしかない」と

ゴッドドア・本間ヘッドコーチ

 

昨夏の全中で他3校と同時優勝を果たした本山南中の主力を中心としたゴッドドア。指揮を執る本間雄二ヘッドコーチは、同中学校の近隣で活動する魚崎ミニバスの監督も務めており、現チームの選手たちはミニバス時代の教え子たち。中学で活躍をおさめた選手が本間コーチのもとに戻ってきたというわけだ。

 

そんなゴッドドアは初戦でSuper Wave(鳥取県)に快勝すると、2回戦では世代屈指のプレーヤーである平良宗龍率いる琉球ゴールデンキングスU15(沖縄県)を大激戦の末に撃破。続く3回戦と準々決勝では、立て続けに相手を圧倒し4強入り。メインコート初日の準決勝でも、昨年大会3位の奥田クラブ(富山県)を下して決勝に勝ち上がった。

 

奥田クラブとの試合では終盤まで均衡した展開となったが、「本当はワンサイドゲームや走り切って一度ゲームを落ち着かせられるような時間帯を目指しましたが、最後の最後まで我慢・我慢・我慢になるだろうと思っていました」と本間コーチは試合展開が想定内であったことを明かす。「ベンチも一体になって、『感動』『感謝』『一体感』の“3感”を与える」ことを目指して、決勝に臨む。

 

現チームのメンバーは長年ともにプレーしてきたこともあって連係は見事なもの。世代屈指のプレーヤーであるエースの#85瀬川琉久を中心に、高確率シューターの#2長田祐聖、司令塔の#1藤村日向、フィジカルなフォワードの#39竹内流人、そしてインサイドのアンカーとなる#22馬場瑠音とタレント性も抜群だ。

 

また、決してサイズの大きくないガード陣も積極的にリバウンドやルーズボールに飛び込むガッツも魅力で、真摯にバスケットボールに取り組む姿勢は見るものの心に突き刺さる。本間コーチの「団旗にも書いてあるとおり、チームとして『人間力』の向上を目指しています。バスケを通じて培ったものを生活の中で応用し、彼らが人生の中で力を発揮できるように頑張ってもらいたい」という考えが、プレーにもにじみ出ている。

 

決勝で対戦するKAGO CLUBはスキルの高さに目を見張るものがあるが、それ以前にゴッドドアと同様に小さな選手もハッスルし全員バスケットで勝ち上がってきたチーム。同じ近畿地区でライバルであり、戦友でもある相手に対して本間コーチは「楽しみですね、ありがたいことです。丸さん(丸田健司ヘッドコーチ)も僕も関西人なので楽しみでしかない」と笑顔。どちらが気持ちの面で優位に立つかは、勝敗を分けるキーポイントとなりそうだ。

 

 

 

KAGO CLUB・丸田ヘッドコーチは

「気持ちの部分でドラマが見られたら」

 

一方のKAGO CLUBもトーナメントの勝ち上がりは容易なものではない。初戦の相手は全中優勝の白新中の主力を軸としたBOMBERS(新潟県)で、4Q残り49秒で勝ち越しに成功する薄氷を履む勝利。3回戦でも前回大会で準優勝したNLG INFINITY(群馬県)に3点差、準決勝では近畿地区のライバルLakeForce(滋賀県)を4Qで突き放しての勝利だった。

 

丸田コーチは準決勝を振り返って「内容的にはよくなかったですが、シューターの子だったり、エースの#1渡邊大翔だったり、昔から育ててきた信頼の置ける選手たちがチームを引っ張ってくれたので、僕にとっては大きな勝利でした」とコメント。本意でない形でも勝ち切れたことは、チームに大きな自信を与えたはずだ。ただ、決勝に向けては「明日はもっともっとみんなが絡んで、流動的にチームで戦うバスケをしたいですし、そうしないと勝てないと思います」と危機感を募らせた。

 

そんなKAGO CLUBには変幻自在なプレーでチームを引っ張る#1渡邊、176cmながら準決勝でもリバウンドの面で大きなインパクトを残した#7山銅彪剛、高確率で3Pシュートを射抜く#13杉本陽飛といった個々の能力が高い選手が多く、サイズを凌駕するスキルの高さとパスワークが魅力。

 

対戦相手のゴッドドアは、昔からよく知るチームで、練習試合などもするそうだが、「うちはゴッドドアさんに負け越しているので、そういう面でも(勝つことで)良いストーリーが子どもたちにも生まれると思います。明日そういった気持ちの部分のドラマが見られたらいいなと思います」と丸田コーチ。

 

練習試合での成績は、もちろん参考にすべきだ。ただ、両チームが過酷なトーナメントを勝ち上がる中で力をつけてきたことを考慮すれば、その実力はぼぼ互角と言っていいはず。KAGO CLUBとしては、まずはゴッドドアへの敗戦続きのイメージを拭い去り、#85瀬川をいかに抑えていくか。また、チームで#2長田の長距離砲をクリエイトしてくることが多い相手の連係を断ち切ることができるかは見どころだろう。

 

ゴッドドアとしては、チャレンジャーとして向かってくる相手に受け身にならないことがまず一つ。その上で、これまでの戦いでやってきたようなハッスルを継続していきたいところ。

 

両チームともに初めての決勝戦とあって、序盤は重い立ち上がりになる可能性もある。ただ、どんな試合展開になろうとも、どちらが栄冠を手にするのかは非常に楽しみだ。

 

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写真/月刊バスケットボール

文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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