月刊バスケットボール5月号

中学(U15)

2022.01.06

【Jr.ウインターカップ2021-22】抜群の連係でインサイドを制圧した折尾のツインタワー

「Jr.ウインターカップ2021-22(2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会)」は大会3日目。この日は男女共に3回戦と準々決勝を消化し、大会期間で唯一のダブルヘッダーとなった。

 

 女子で明日のベスト4進出を果たしたのは四日市メリノール学院中(三重)、J,sphere(愛知)、Earnest(宮城)、そして京都精華学園中(京都)の4チームだ。その京都精華とメインコートを懸けて死闘を繰り広げたのが昨夏の全中で準優勝を飾った折尾中(福岡)。3回戦ではサイズのあるKAISEIKANクラブ(静岡)を74-59で撃破。準々決勝の大一番に挑んだ。

 

 今年度のチームを引っ張ったのは#8三間萌(180cm)と#15伊東友莉香(175cm)のツインタワーだ。#8三間は高さと長さを生かしつつ、ペイント内では巧みなステップワークで得点する技巧派。対して#15伊東は175cmと三間よりはやや小柄だが、機動力とフィジカルの強さが持ち味だ。

 

 

 KAISEIKANクラブとの試合では、2人を警戒してマークを厚くしてきた相手に対して#8三間が17得点14リバウンド、#15伊東が20得点7リバウンドとインサイドを制圧。さらにハイローで互いが互いを補い合い、共に4アシストと抜群のコンビネーションを見せた。

 

【写真】折尾中×京都精華学園中フォトギャラリー(写真17点)をチェック

 

 京都精華学園戦でも2人を起点に、司令塔の#9末廣舞由が落ち着いてゲームをコントロール。オーバータイムの末にわずか4点差(94-98)で敗れたものの、#8三間は24得点9リバウンド8アシスト、#5伊東はファウルアウトが悔やまれるが35得点5リバウンド5アシストとチームの半数近い得点を記録。#9末廣と合わせて折尾の支柱と言って間違いない活躍だった。

 

 

 そんな2人のセンターは、まさにあうんの呼吸とも呼べる見事な連係を見せ、#8三間は#15伊東を「自分の半分みたいな存在です。自分一人では全然ダメだったけど、伊東がいてくれてすごく助かりました。すごい頼りになる存在でした」と言い、#15伊東も#8三間のことを「血はつながっていないけど、双子のような存在。すごく信頼しています」と互いが互いを最高の相棒だと認め合う仲だ。

 

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 プレースタイルが対照的なこともあって、お互いに補い合いながら戦ってきた2人。その成果が、夏冬ともに全国大会でスタッツを始めとした結果として表れたことは確かだろう。しかし、「前半でリバウンドとかをもっと取り切れる部分もあったし、決め切れる部分もありました。そこをもっとできていたら…」と#8三間。#15伊東も「全中の決勝で負けてしまったので、冬は絶対に勝とうと思ってやってきました。相手の留学生を止めようと思ったんですけど、自分が先にファウルアウトして負けてしまったので申し訳ない」と、悲願の全国制覇を達成できなかったことに涙。

 

 相手にとっては驚異のツインタワー。折尾中でのキャリアはここで幕を閉じることとなったが、この悔しさはきっと高校で晴らしてくれるはずだ。最後に#15伊東は「高校でも県でナンバーワンをとって全国制覇を目指します」と決意を込めた。

 

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文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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