月刊バスケットボール5月号

中学(U15)

2022.01.04

【Jr.ウインターカップ2021-22】母とともに全国へ!勝山中で異彩を放つステフィン・カリーのような2年生ガード

「Jr.ウインターカップ2021-22(2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会)」の女子1回戦。HANABUSA FALCONS(埼玉)と対戦した初出場の松山市立勝山中(愛媛)は、後半に相手にリズムを奪われ61-76で敗戦。チームの大黒柱である#4岩井萌の22得点を筆頭に3選手が2桁得点と躍動したが、全国の壁を乗り越えることはできず。初めてのJr.ウインターカップは1回戦敗退というほろ苦い結果で幕を閉じた。

 

 勝山中のメンバーの中で最も存在感を放っていたのは#4岩井だったが、彼女とはまた違った独特の存在感を放つ選手が一人。2年生ガードの#13金谷悠加だ。NBAが好きだという彼女のプレーは、さながらステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)のようで、緩急あるドリブルやクロスオーバーでディフェンダーを出し抜き、ステップバックなども交えて放たれる3Pシュートはきれいな放物線を描いてリングに吸い込まれていった。

 

 

 

 この試合では12得点を挙げたものの3Pは2/7で、後半は無得点。まだまだ発展途上であることは否めないが、彼女の持つユニークなスキルセットはほかの選手とは異なる輝き方をしているように見えた。聞けば、父は彼女のミニバスチームでコーチをしていた方だそうで、母はチームの指揮を執る金谷純代コーチだ。以前、高校バスケ部のコーチをしていたという金谷コーチ。そんな母に連れられて物心つく頃から体育館へ通っていた娘も小学1年生でミニバスチームへ。メキメキと実力をつけていった。

 

 憧れの選手はやはりカリーだそうで、「カリーの動画はよく見ていて、将来的にはカリーのような選手になりたいなと思っています」と#13金谷。バッシュもアンダーアーマーのカリー8を履くこだわりようで、金谷コーチも「今の時代は動画でNBAなんかも気軽に見ることができますからね。カリーのプレーなんかもそこから盗んでいるみたいです(笑)」と彼女の日常を明かしてくれた。

 

【写真】松山市立勝山中×HANABUSA FALCONSギャラリー(写真16点)をチェック

 

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 そんな娘と全国の舞台にたどり着けたことについて質問すると、金谷コーチは「本当にありがたいことで、皆さんに感謝したいなという思いですね」と一言。#13金谷も「ミニバスのときもお父さんがコーチだったので、そんなに不思議な感じはないです。家族みんなでバスケットをやっている感じ」と、照れくさそうに語る。当然、思い入れはあるはずだが、多くを語らなかった2人の姿からは、コートに入れば親子ではなく指導者と選手というはっきりとした住み分けができているように感じられた。

 

 #13金谷はまだ2年生で、金谷コーチ自身も勝山中で指揮を執るのは今年度が2年目とのこと。来たる中学3年目に向けて#13金谷は「3年生と出させてもらっていて、負けてはしまいましたが、最後まで先輩と楽しくプレーできたのでよかったです。この1年は全中にも出場していろいろな舞台でチャレンジできたので、そこで出た課題をもっと改善できるようにしたいです。私のほかにも2年生で試合に出ている選手はいるので、この1年でやってきたことをもっと成長させて(3年目に)挑めるように頑張っていきます」と決意を口にした。

 

 母と娘、二人三脚で歩む2人の戦いをこれからも追いかけていきたい。

 

 

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取材・文/堀内涼(月刊バスケットボール)



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